マレーシアの投資銀行であるフィン・ホワン・キャピタルは、世界的なゲーミング大手ゲンティン・バーハッドの今後3年間の収益予測を大幅に引き下げた。これは同社の最も収益性の高い子会社であるゲンティン・シンガポールが直面している潜在的逆風を主な理由としている。
同社の報告書には、外国人観光客への強い依存度を前提として、新たな新型コロナの変異株の発生により収益回復が遅れる可能性が高いため、「ゲンティン・シンガポールからの貢献利益の減少を理由に、2021年には1.7%、2022年には17.6%、2023年には3.0%の収益予測を引き下げた」としている。
先日シンガポールが海外観光客に向けて国境再開をし、現在約25カ国がワクチン・トラベル・レーンプログラムに参加していにもかかわらず、この修正が行われた。
同投資銀行は、次のように述べている。「ゲンティン・シンガポールは、国内市場シェアを獲得するためにマージンを減らす可能性があるが、同業他社も同様に追随する可能性もあり、上値は限定的となるだろうと考えている。外国人観光客が減少しているものの、ゲンティン・シンガポールの現在の事業は依然として利益を上げている」。
また、ゲンティン・シンガポールの収益は、2019年のゲンティン バーハッドの純利益の約57%も占めていたが、ゲンティン社のその他の市場にも制約がある可能性が高いとしている。
そして、「新たな新型コロナ変異株の発生により、一部の政府はより厳格な国境管理を実施することを余儀なくされ、国際観光の回復をさらに妨げる可能性がある」と述べた。