証券会社バーンスタインは、マカオのジャンケット事業の衰退は、地元ゲーミング業界の信頼性にとって長期的にはプラスと見られており、かつてのジャンケットプレイヤーのかなりの部分がダイレクトVIPやプレミアムマスに転換する可能性があると述べた。
同社アナリストのヴィタリー・ウマンスキー氏とケルシー・ヂゥー氏は15日(水)の文書で、ジャンケットVIPプレイヤーの15%〜30%がより収益性の高いプレミアムマスセグメントを介して戻ってくる一方で、他のプレイヤーはダイレクトVIPに移行し、事業者は仲介業者を排除できるだろうと見積もっている。
彼らは次のように述べている。「ジャンケットビジネスがなくなると、一部のプレイヤーは方向性を変える可能性があり、我々は、ジャンケットVIPビジネスの15%〜30%がプレミアムダイレクトおよびプレミアムマスに転向する可能性があると予測している。
ジャンケット事業の消滅によるプレミアムマスへの悪影響もいくつかあるだろう。ジャンケットの流動性により、ウルトラプレミアムマスの10%〜25%が消失し、プレミアムマスの5%〜10%が消失する可能性があると考えている。
一部のジャンケット事業はおそらくプレミアムダイレクトに移行する可能性があるが、その一方で一部セグメントではジャンケットの流動性の消失による悪影響を受ける可能性があるかもしれない」。
同アナリストらは、VIPが2019年にGGRに39%貢献したのに対し、EBITDAへの貢献は15%未満であったと述べている。
その結果、ジャンケット事業の欠如により、コロナ禍後のGGRは、2019年のレベルの69%〜79%、または251億米ドル(約2.8兆円)〜288億米ドル(約3.2兆円)に戻る可能性がある。ただしこれには、IRのグランド・リスボア・パレスの開業やザ・ロンドナー・マカオの改修、そしてギャラクシーの第3・第4期拡張工事による需要または収容率の増加は考慮されていない。
同アナリストらは次のように述べている。「新型コロナからの回復が実現した際には、高い利益率が見込め(収益は低くなるが)変動の少ないゲーミング業界となることを期待している。
マカオにとって、ゲーミング業界の未来は主にマスとプレミアムマスの回復にある。ジャンケットビジネスの縮小は、マカオの安定と未来にとって好機となる」。