投資銀行のモルガン・スタンレーは、マカオのゲーミング市場の不確実性とその後の株価下落の動向を2016年1月初めに例え、今後12カ月は6年前と似た回復軌道を辿る可能性があるとした。
同社アナリストのプラビーン・チョウダリー氏、ガレス・レオン氏、トーマス・アレン氏は14日(火)のレポートで、現在とその当時の数多くの類似点を指摘した。現在の時価総額は580億米ドル(約6兆5,976億円)で、2016年1月の530億米ドル(約6兆289円億)をわずかに上回っており。これは2011年半ば以降の最低水準となる。中国の習近平国家主席による反腐敗・汚職摘発運動を経た後のその2016年の水準は、マカオの以前の主要VIPセクターに大きな打撃を与えた。
同アナリストらは次のように述べている。「2022年のGGRの成長は、2016年のようにアウトパフォームするはずだ。マカオの株式の時価総額は2016年1月に底を打った。これは、2015年初頭にGGRの前年比成長率が−50%となった約12か月後のこと。2016年1月までのGGR成長率は−20%であったが、その時点で2016年の後半には前年比でプラスになることは明らかだった。これにより、2016年の材料株の価格は前年比で26%上昇した。
従って2022年は、2019年よりも低いレベルではあるものの前年比成長率は加速し、上記と同様の傾向が見られると考えている。
またこれにより、2022年はアウトパフォームが加速するはずだ」。
同社は、マカオのゲーミング株が過去2年間ハンセン指数を下回り、新型コロナと過剰規制により価格が下落しているが、このセクターは2年以上連続で指数を下回っていないことを指摘した。
それどころか上記アナリストらは、マカオのゲーミング株によるアウトパフォーマンスを期待するいくつかの主な理由として、明確なライセンス更新や、新ゲーミング法が起草され、その後立法議会を最終通過していることなどを挙げている。
「マカオ行政長官によるライセンス期限延長の発表は22年第1四半期までに行われると予想しているが、たとえこの期限が2022年6月以降に一時的に延長されても、上記の各事象は確実に起こるだろう」と彼らは記している。
また、GGRが前年比で41%上昇しこれが株価回復を後押しすると予想しており、厳選銘柄としてメルコリゾーツとギャラクシー・エンターテインメント・グループの名を挙げている。