マネージング ・ ディレクター兼
CEOタブコープ
パワースコア: 1,004
昨年の順位: 20
評価理由
- イギリス、南アフリカ、オーストラリアでの30年近い業界経験
- オーストラリア最大の競馬・賭博会社のトップ
タブコープ・ホールディングスのデイビッド・アッテンボローCEOは、2021年に引退の予定であったが、タブコープが宝くじおよびキノ事業と、賭博、メデ ィア、ゲーミング事業とを分割し終えるまで、その約束を先延ばしにしている。ただし、ゆっくりであっても退任へと向かっている。
子会社一社の売却が続く可能性のある分社化は、複数の買収提案がある中で行われており、ほぼ飽和状態にある積極的で革新的な法人ブックメーカ ーの世界において、賭博及びゲーミングサイドの事業が業績不振であることを投資家が長年不安視してきたことだ。オーストラリアの賭博分野でかつてト ップを走っていたタブコープのスポーツくじは、今年、スポーツベットに市場シ ェアトップの座を奪われ、現在はスポーツベットが47%、タブコープが39%となっている。
2021年度には黒字回復したものの、豪ゲーミング大手の掛け金が全体で115億豪ドル(9,700億円)も減少したことは、たった4年前にアッテンボロー氏が見守る中、宝くじ大手のタッツ・グループと合併した際の興奮とは極めて対照的である。
他にも様々な問題が待ち受けている。特に注目すべきは、タブコープが幅広く支援してきたオンラインゲーミングでのクレジットカード使用に対する規制強化または禁止の可能性が出てきている点だ。
アッテンボロー氏の引退が先延ばしになっていることで、彼はタブコープト ップの座に少なくとも12年間座り続けることになる。いずれにしても、アッテンボロー氏は、豪ギャンブル業界に多大なる貢献をしてくれた。そしてその前には、南アフリカとイギリスの同業界で誰もが認める貢献をしてきた。
しかしながら、結局のところ、アッテンボロー氏の活躍の一部は、ほぼ全ての州や地域でタブコープが独占営業という特権を持っていたことによるところもあり、コロナ禍の前または渦中の競争が同社を厳しい現実の世界へと引き戻し、そして再び2つに別れさせたことを歴史が映し出すことになるだろう。