マネージング・ディレクター兼CEO
スター・エンターテイメント・グループ
パワースコア: 1,110
昨年の順位: 18
評価理由
- 主要市場であるシドニーおよびクイーンズランドで積極的な成長戦略を先導
- アジアのチョウ・タイ・フック(周大福)およびファーイースト・コンソーシアムとの戦略的パートナーシップを実現
オーストラリアのカジノはコロナ禍と中国人VIPを失ったことによる大きな打撃を受けているが、スター・エンターテインメント・グループは、ロックダウンの制限が他よりも緩いこと、規制機関から敵視されていない有難い状況のおかげで、ライバルのクラウン・リゾーツよりも上手く嵐を乗り切った。
それどころか、スターの状況は、二つの州での王立委員会による調査が原因でカジノライセンス喪失危機にあるクラウンと比べて改善している。
CEOであるマット・ベキアー氏は、これら前代未聞の課題に直面する中で、楽観主義と忍耐の代表的存在となっている。
そしてスターが休業やジャンケット禁止措置から回復する際に、ベキアー氏のそういった資質が、スターにとって大いに役立ったようで、しっかりとした数字を出し、拡張計画を維持し、シドニーの資産の一部をセール・ アンド・リースバックする準備を進めている。
クラウン・メルボルン調査の事の重大さが判明する前、一時、スターはクラウン買収の提案さえ行っていた。
しかし、恵まれた状況にあると思われていたスターだが、今それが、クラウンの時と同じメディア調査チームによってひっくり返されている。多かれ少なかれこのメディアチームの調査が原因でクラウンの評判は地に落ちた。
Nine Newspapersと60 Minutesの報道は、スターがクラウンと同様にコンプライアンス基準を遵守できていないだけでなく、委託していたKPMGから提出された非常に重要な社内報告書を、ニューサウスウェールズ州のゲーミング規制機関に提示しなかったと非難している。スター側はそれら内容を否定している。
ベキアー氏とそのチームがどのようにこの報道の影響に対処するかが、今後のスターの未来を決定づけることになる。今のところ、彼のチームは和解というよりもむしろ言い返すというクラウン同じ攻撃的な戦略を用いており、政府および世論との、ゼロサムとまでは言わないまでも、一か八かの闘いを予言している可能性が高い。