リゾートワールド・セントーサ(RWS)を運営するゲンティン・シンガポールが今週、7-9月期の業績不振を発表したことを受けて、野村グループが同社の2021年度およびそれ以降の収益および調整後EBITDA予想を下方修正した。
Inside Asian Gamingが伝えた通り、RWSの収益は21年第3四半期に前年比16%、前四半期比9%減となる2億5,150万シンガポールドル(約212億円)に落ち込み、調整後EBITDAは施設全体で未だに入場者数の上限が設けられていることによって、年および四半期ベースの両方で31%減少した。
野村はまた、シンガポールが最近一部の国からの訪問客に対して渡航規制緩和をしたものの、目立った変化が見られる可能性は低いと述べ、その理由に隔離不要の旅行が認められている国がこれまで供給市場であった国ではないことをあげた。
11月10日(水)のレポートの中で、野村のアナリスト、トゥーシャー・モハタ氏とアルパ・アガーウォール氏は、野村がゲンティン・シンガポールの収益予想を9%減の11億シンガポールドル(約926億円)、調整後EBITDA予想を8%減の4億9,000万シンガポールドル(約413億円)、そして利益予想を16%減の1億8,200万シンガポールドル(約153億円)に引き下げたと述べた。2022年および2023年予想もまた、下げ幅は小さいものの下方修正されており、収益は2023年に20億6,000万シンガポールドル(約1,735億円)、調整後のEBITDAは9億100万シンガポールドル(約759億円)そして利益は4億9,000万シンガポールドル(約413億円)になると予想した。
アナリスト達は、中国人たちが戻ってくるのは「まだしばらく先になるようで、中国は新型コロナゼロ戦略を追い求めており、中国がコロナ禍前に最も重要な海外市場であったことを考えると、これが継続してゲンティン・シンガポールの22年度収益に影響を与える可能性が高い」と述べた。
しかしながら、「短期の利益が予想を上回る可能性は低い一方で、我々は改めて、ゲンティン・シンガポールが、シンガポールの海外からの訪問客への段階的な国境開放という流れに乗ると前向きに見ているということを言いたい」。
ゲンティン・シンガポール株への『BUY』格付けに変更はない。