リゾートワールド・ラスベガス(RWLV)は6月24日(木)に正式にオープン。ラスベガス・ストリップにカジノリゾートが誕生するのは10年以上ぶりのこととなる。
2010年にラスベガスでコスモポリタンがオープンして以来のカジノリゾートの誕生である。ストリップの北端に位置し、ゲンティン・グループが40億ドル(約4,400億円)を投入したRWLVは、新型コロナウイルスの感染拡大による壊滅状態からの脱却を象徴している。
同リゾートは、現地時間の24日(木)午後11時にオープンし、数日から数週間にわたって一連の祝賀イベントが予定されている。7月4日には、リゾート内のアユ・デイクラブでマイリー・サイラスのコンサートが行われ、ホテルタワーに設置された巨大なスクリーンでライブ中継される予定だ。
ゲンティン待望の同リゾートは、40以上の飲食店、5,000人収容のコンサート・エンターテインメント会場、6,500平米の専用小売スペース、23,200平米の会議・宴会スペース、5.5エーカーのプール施設、10,900平米のカジノフロアを有する。
ラスベガス・ヒルトン・アット・リゾートワールド、コンラッド・ラスベガス・アット・リゾートワールド、クロックフォーズ・ラスベガスとヒルトンの3ブランドで3,500室の客室を提供し、ゲーミングフロアを含むリゾート全体でキャッシュレス決済技術を採用するなど、ストリップで最新鋭の施設として注目されている。
また、スペースXの創業者であるイーロン・マスク氏の地下トンネルシステムによって、ラスベガス・コンベンションセンターのキャンパスと接続している。
同リゾートのスコット・シベラ社長は、ウォールストリート・ジャーナル紙のインタビューで次のようにコメント。「このタイミングでオープンでき、とても幸運だ。いずれにせよ、1年半前からオープンを予定し、日付も発表していた。ラスベガスは明らかに良くなっている」。
海外旅行が非現実的とも思える今、同氏は旧正月がRWLVにとって、海外のアジア市場への潜在的なアピールの機会になるとも言及。
同氏はネバダ・インディペンデント紙に、「アジアの当社施設は強みだが、それが一夜にして変わるものではないことは承知している」と述べた。
「年末までには良くなり、次の旧正月が盛大に祝われることを願っている。ただ、すぐにそうなるとは期待していない」。
同リゾートは、かつて象徴的なスターダストがあった場所に建設された。オーナーのボイド・ゲーミングは、2006年にスターダストを取り壊し、48億米ドル(約5,330億円)を投じてエシュロン・プレイスという名のIRを建設したが、2009年の世界金融危機によってその夢は消え、2013年にその土地をゲンティンに3億5,000万米ドル(約389億円)で売却した。
野村のアナリストは今年初め、同リゾートのオープンにより同社の2022年のEBITDAは6%増加するが、少なくとも数年間は純利益レベルでの赤字が続くだろうと述べた。