IAGが、アリストクラートのアジア営業・事業開発部長であるポール・ホワイト氏と対談し、これまでのキャリアとフィリピン・カジノ市場にとっての短期的な未来に関して話を聞いた。
ベン・ブラシュク:まずは、あなたのことを知らない方のために、経歴、育った場所、そしてその当時の思い出などについて教えていただけますか?
ポール・ホワイト:私が育ったのはアメリカのアリゾナ州です。典型的な郊外という感じで、秋はアメフト、春は野球、灼熱の夏はプールサイドというのが定番でした。大学では数学を学び、数学者およびゲームデザイナーとしてゲーミング業界に入りました。キャリアの始まりは製品サイドからで、世界中のカジノに向けたコンセプトの作成、ゲーム構造の設計、数学モデルの構築などを行いました。その後、オファーを受けてマカオのスタートアップソフトウェア企業に入社しました。というのも、その当時の非常に刺激的な時期に、技術の分野にいること、そしてマカオにいることの両方に心が躍ったからです。
BB:ゲーミング業界に最初に触れたのは?そしてそれがキャリアの焦点になった経緯は?
PW:仕事に就いて最初の週にあったのがラスベガスのG2Eでした。非常に素晴らしい実地体験をしました。その後すぐ、業界について学ぶようになり、私が焦点を当てたのはプレーヤーエンターテインメント、創造力、国際的な側面、そしてこのような刺激的な業界を作るさまざまなスキルでした。その後、オーストラリアやヨーロ ッパのゲーム開発チームと現地で仕事をする機会を得ました。この期間中に、驚くほど有能で知識豊富な専門家たちから、ゲーム、ハードウェア、数学について素晴らしい内容を学びました。振り返 ってみると、製品開発側でのこの学びの期間こそが、私の業界へのコミットメントが具体化し、キャリアの焦点となった場所です。
BB:特にサプライヤーの立場から、業界の一員であることについて最も楽しい点は?
PW:私たちはプレイヤーに素晴らしい体験を提供するビジネスを行っており、サプライヤー側にいる全員が、革新的で新しいものをお客様に提供するため、一生懸命取り組んでいます。同時に、お客様の立場に立って、「ここにはどのように商品を届けられるのか、もしくはそこではどう課題を解決できるのか? 」と考えることも楽しんでいます。
ここで取り組まなければならないのが、スキルと能力の向上、謙虚であること、満足せずに、社内で顧客およびプレーヤー体験の改善に集中することです。 絶え間なく学び、自分自身を成長のために追い込むことというのが、私が日々楽しんでいることです。
BB:アリストクラートには6年近くいらっしゃいます。働くようにな ったきっかけは?またこの期間にどのような経験をされましたか?
PW:フィリピン市場は驚異的な成長に向かっているところでしたので、そのような場所でのマーケットマネージャーとしての素晴らしい機会に興味を持ちました。それに深くかかわりたいと思っており、アリストクラートは絶好の機会でした。それ以来してきた経験というものは私が思っていた以上のものとなっています。
この会社は、社員、顧客、そして商品により大きな焦点を当てることに絶えず挑戦している会社で、私たちはやること全ての中心に自分たちの価値観を置くという素晴らしい文化でもってそれを行っています。 私たちの使命は、遊びの力を通じて生活に喜びをもたらすことであり、私たちはそれに日々熱中しています。

BB:現在の役割と、会社での標準的な1日とはどのようなものかについて少し教えていただけますか?
PW:私はアジアの営業部長であり、主要アカウントマネージャー達の素晴らしいチームと協力して顧客ベースにサービスを提供しています。私は、自分の時間の大半を、社員の幸せについて考えることに費やし、業界で最も才能ある人々に確実に選ばれる企業であるための一連のイニシアチブの中で働いています。
次に、特にパンデミックの影響から回復するというこの困難な時期に、お客様と関わり、支援する機会を模索しています。これは、健全なビジネスの回復に向けた共有リソースという中核メッセージを持つ『アリストクラート・アシスト』を通じて大きな効果を上げています。
次に、お客様と市場動向を注視しています。最近、私たちはネットプロモータースコア(NPS)調査を実施し、前向きな結果が明らかになりましたが、アリストクラートのバリュープロポジション(価値提案)を強化する機会も見つかりました。これを達成するための計画があり、それに投資していく予定です。
BB:もちろん、マニラにいることで、新型コロナの影響を直接目にされたと思います。プロとして、そして個人的な視点から、この12カ月間が提示した主な課題とは何ですか?
PW:何よりもまず、私たちはフィリピンの社員と家族の安全と幸せを気にかけています。また、お客様の健康、そしてさらに広い地域社会についても考えており、この困難な時期に確実にサポートを提供できるよう努力しています。最近では、医療従事者に5千枚のマスクとフェイスシールドを提供し、昨年初めに新型コロナによるロックダウンが始まって以降では、地域社会に2万点を超える食料品を供給してきました。
BB:今後12カ月でフィリピン市場はどれくらい回復すると思いますか?
PW:フィリピンはより広い世界の回復に追随する形になるとおもいます。その主な推進力は地元住民がワクチン接種できる状況になことでしょう。フィリピンの国と地方自治体は、民間企業と協力して、ワクチンの調達と接種を積極的に推進しており、2021年を通じて地方でのワクチン接種を強力に推し進めています。コロナ禍からの回復が明らかになるにつれて、観光旅行が再開され、定員上限でのプレイが可能となり、そして年齢制限が撤廃されることによ って市場は以前のレベルに戻ると思います。
BB:コロナ以前にフィリピンは、スロットの観点から見て、アジアナンバー1とまではいかなくても、最も刺激的な市場の1つだと言われていました。それは変わっていませんか?
PW:100%その通りです。マニラには、規模と量において世界最大のジャックポットがいくつかあります。マニラの典型的なフロアでは、5億ペソ(11億円)以上のジャックポットが同時進行しています。そのような興奮に勝るものはありません。
『Mighty Cash』は、マスフロアでのグランドジャックポット開始額1億ペソ(約2億2,000万円)、そして2億ペソ(4億5,000万円)という額までも提示することで、全く新しいレベルへと引き上げました。アリストクラートは、グランドジャックポット5,000万ペソ(1億1,000万円)または1億ペソ(2億2,000万円)という新商品を定期的に発売しています。規模はやや小さいものの、クラーク、そしてまもなくセブでも同様のジャックポットがプレイヤーの興味を駆り立てています。
BB:最近、フィリピンのスロット市場ではどのような傾向が見られますか?
PW:フィリピンの常連カジノプレイヤー達はジャックポットボーナス体験への進化を求めており、マルチデノミのリンク型プログレッシブへと向かう強い勢いが加速し続けています。アリストクラートは、『Lightning Link』によってこれら両方の仕組みの先駆者となり、『Mighty Cash』やその他今後発売される商品でこの人気カテゴリーを拡大し続けていきます。楽しみな時代が待ち受けています。
BB:新型コロナは置いておいて、休みの日には何をして過ごしていますか?
PW:家族を持つ男として、素晴らしい妻と素晴らしい子供たちからエネルギーをもらってます。あと、ここゲーミング業界の内外で、素晴らしい関係を築いてきました。ゴルフ、スキューバダイビング、離島での休暇などを楽しんでいます。
BB:最後に、ついにフィリピンから出られるとなれば、まずはどこに行きますか?
PW:簡単です。アメリカに帰ります。長い間帰れていませんので、家族と再開できるのを楽しみにしています。