米国司法省は、ウィン・リゾーツ創業者のスティーブ・ウィン氏が中国への外交上の便宜を図るようトランプ政権に働きかけたという主張について、法廷に持ち込むと圧力をかけたとされる。
ウォールストリート・ジャーナル紙の報道によると、2018年初めにセクハラ疑惑で同社の会長兼CEOを退任したのち、同社の全株式を売却した同氏は、2017年にトランプ政権に対し、実業家の郭文貴氏の中国への身柄引き渡しを要請。中国から逃亡者と認定された郭氏は、贈収賄と性的暴行で告発され、2014年に米国に逃亡している。
また、司法省は同氏に対して、外国代理人登録法(FARA)に基づき外国人ロビイストとして登録するよう求めており、同氏に不利な証拠を集めたとされている。司法省は、同氏に登録を強要するには出廷も辞さないとしている。
同氏は、中国政府が発行した郭氏に関する手紙を、当時のトランプ大統領に2017年に直接手渡したとされる。郭氏は当時、同大統領のリゾートであるマー・ア・ラゴの会員だったとも言われている。
ウィン氏の弁護士であるリード・ワインガーテン氏は水曜日に声明を発表し、この主張に次のように異議を唱えた。
「同氏は、中国含む誰かのためにエージェントやロビイストを務めたことはなく、受け取った情報を政府に忠実に伝えただけである」。
ウィン・リゾーツは、過半数の子会社であるウィン・マカオのもと、中国のマカオ特別行政区でウィン・マカオとウィン・パレスの統合型リゾート2軒を運営している。