大阪観光の司令塔を担う溝畑宏・大阪観光局局長が大阪・関西万博と大阪IRについて注目の発言をしている。オンラインで開催された「JAPAN IR FORUM」(主催・日本IR協会)では「国際観光大国実現に向けた万博&大阪IRの役割」というテーマで講演。「2022年にはコロナ前の水準に戻り、万博は23年に着工し25年に開催。IR開業は27年か28年になるだろう」と観測した。
講演の中で溝畑氏は現状について「コロナによって観光事業は特急列車から各停になったけれども、反転攻勢の準備段階。コロナは必ず収束するので、コロナ後を見据えて万博、IRを手段として魅力ある都市づくりにまい進していきたい。住んで良し、働いて良し、学んで良しの大阪を目指す」と話した。
気になる今後のスケジュールの一端も披露し「今年9月にはIR事業者が決まるので、事業者と力を合わせて区域整備計画をつくる。22年にはコロナ前の水準に戻るとみており、万博は23年に着工し、25年に開催。IRは27年か28年の開業になるだろう」との見通しを語った。
その種まきとして、7月には”食のワールドカップ”といわれる「FOODEX JAPAN in 関西」、11月には「ツーリズムEXPOジャパン2021」をインテックス大阪で開催する計画だ。
また関西の大手私鉄やJR、大阪メトロがコロナ禍により、業績が悪化している点にも言及。開催地・夢洲へのアクセスが頓挫するのではないか、あるいは関西国際空港と大阪最大のターミナル大阪駅(梅田駅)への直結計画が遅れるのではないかという懸念についても「計画に変わりがない」とした。
溝畑氏は実はコロナ感染のため、講演を欠席した。今回の模様は後日に収録し、アーカイブ配信したもの。病み上がりとあって、少しやせて見え、実際の復帰会見でも「人生で初めて生きるか死ぬかの恐怖にさいなまれた。医療関係者には感謝申し上げたい」と殊勝な面持ちだったが、この日の最後は「観光立国になるにはIRがひとつ柱になる。ピンチをチャンスに変え、100倍返しを」と溝畑節でまとめた。