和歌山県が進める「特定複合観光施設設置運営事業」(IR事業)への事業者公募に参加を表明していた「サンシティグループ ホールディングスジャパン株式会社」(以下サンシティ・ジャパン)は12日、正式に撤退すると発表した。同社代表取締役である周焯華(アルビン・チャウ)氏がコメントを出した。新型コロナウイルス感染拡大による業界への影響と日本のIR事業の遅れなどを理由に挙げた。
優先権者として有力候補に挙げられていた「サンシティ・ジャパン」がIRレースから撤退した。大きな決断の理由としてアルビン・チャウ氏は次のようにコメントを伝えた。
「新型コロナウイルス感染拡大による業界への甚大な影響と、世界中の膨大な数の企業における不確実性は今後も長期にわたり続く恐れがあること、また日本のIR区域認定手続においては、当初の予定よりも大幅に時間を要すると想定される中で、いまだに多くの事柄が不透明であることなど、事業者としてのリスクを鑑み、熟考の上で厳しい決断をするにいたりました」
サンシティ・ジャパンは同社代表取締役であるアルビン・チャウ氏の個人出資よる独立系株式会社。チャウ氏は「日本のIR事業において、和歌山でのコンセプト提案の機会をいただいたこと、また日本・香港・マカオ各国の専門コンサルタントで構成されたIRチームの尽力と貢献、そして、ここまで数々のご支援、ご協力を賜りました関係各位、地域のみなさま方に心より感謝申し上げます」とお礼を述べた。
締めの言葉として「最後に、和歌山県および日本の、このパンデミックからの1日も早い回復と、観光産業の発展の未来を実現されることを、サンシティ・ジャパン一同心より祈念申し上げます」と結んだ。
サンシティ・ジャパンの撤退で、和歌山での事業者の候補は投資会社クレアベストグループ(本社カナダ)のみとなる。
IR誘致に関しては和歌山県の他に大阪府・市、横浜市、長崎県が参加を表明しており、それぞれの自治体が事業者を決定した上で、10月~来年4月の間に国に対し、整備計画を提出する。