世界的なゲーミング会社大手サイエンティフィック・ゲームズは、資金調達と負債返済のために、オーストラリアでの新規株式公開とオーストラリア証券取引所(以下ASX)への上場を検討していると言われている。
オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー(以下AFR)の報道によると、同社は、約94.3億米ドル(約1兆300億円)の負債を処理するための一選択肢として、シドニー拠点の投資銀行ジャーデン・オーストラリアにASXへの上場の是非の調査を依頼。
アリストクラートなどの同業他社の株価が現在史上最高値で取引されていることを考えると、今回の上場は特に魅力的であると考えられる。
同社は、資金調達のために様々な選択肢を検討中だと報じられているが、オーストラリアと強い繋がりを持つことから、ASX上場も魅力的に映るかもしれない。
昨年、米国の大富豪ロナルド・ペレルマン氏が保有していた34.9%の株式を、オーストラリアの資産運用管理会社カレドニア・プライベート・インベストメンツ率いる長期機関投資家グループに約10億米ドル(約1,090億円)で売却したこともその繋がりの一部。カレドニアがその取得した株式の約9.8%を占めている。
また、同氏の全株式の売却と取締役会からの退任により、アリストクラートの前CEOジェイミー・オデル氏とCFOトニ・コルサノス氏(ともにオーストラリア人)が、サイエンティフィック・ゲームズの取締役会長と取締役副会長にそれぞれ就任した。
AFRの報告によると、同社は企業価値199.3億米ドル(約2兆1,770億円)、時価総額53.9億ドル(約5,890億円)を誇る一方で、94.3億ドル(約1兆300億円)の負債を抱えている。
「オーストラリアでの新規株式公開で調達した資金は、その負債の一部の返済に役立つと期待される」と同社は述べている。