すでにNSW州でカジノライセンス保持に適格ではないと見なされた後も、クラウン・リゾーツの物語にはまだまだ続きがあり、現在もさらに2つの王立委員会、そして広範囲にわたる社内改革が進行中だ。
ニューサウスウェールズ(NSW)州が豪カジノ大手、クラウン・リゾーツの行為に関する調査を開始してから14カ月以上、そしてコミッショナーのパトリシア・バーギン氏の最終報告から約3カ月が経過した今なお、クラウンの未来は相変わらず不透明なままだ。
バーギンレポートの調査結果は、 これまでに充分に裏付けられている。NSWの調査によってクラウンの反マネーロンダリング(AML)管理にある重大な欠落、クラウンの銀行口座がアジアの組織犯罪集団に入り込まれていたという証拠、そして大株主であるジェームズ・パッカー氏によるクラウン取締役会への不適切な影響力が明らかになったことで、クラウンは、22億豪ドル(1,840億円)をかけたクラウン・シドニーのカジノを当初予定されていた12月に開業することができなかった。バーギンレポートはまた、クラウンが適格となるためにできるいくつかの手順もリストアップし、「ライセンシーとクラウンを不適格であるとした問題の多くは、コーポレート・ガバナンスの弱さ、リスク管理構造およびそのプロセスの欠如、そして貧弱な企業文化に起因している」という事実を強調した。
州規制機関、NSW独立酒類・ゲーミング局(ILGA)への提言には、クラウン取締役会の再構築、全てのクラウン口座の法定監査、主要株主(特にパッカー氏のコンソリデーテッ ド・プレス・ホールデ ィングス:以下「CPH」)との関係に関する新ルール、AML関連対策の改善およびアジアのジャンケット事業者との関係改善などが盛り込まれた。
ILGAとの協議の下、これら対応策の多くが現在順調に進んでいる。最も注目すべきは、バーギン氏が名指しした5人の元取締役、具体的にはガイ・ジャランド氏、マイケル・ジョンストン氏、アンドリュー・デメトリウ氏、ハロルド・ミッチェル氏およびジョン・ポイントン氏に加えて、CEOのケン・バートン氏と法務顧問であるメアリー・マノス氏がクラウンを去ったことだ。彼らがいなくなったことで、本記事の執筆時点でクラウン・リゾーツの取締役会に残っているのはたった4人。そのうちの1人が業務執行役会長の職を引き受けたヘレン・クーナン氏だ。そして同社は現在バートン氏に代わる新CEOを探している。
NSW州で適格となるためのクラウンの取り組みを評価する役割を担うILGAのフィリップ・クローフォード局長は、IAGに対して、クーナン氏と少なくとも毎週電話で、そして2週間に1度は対面して話をしており、ここ数が月間の話し合いのトーンは明るいと話した。
クローフォード局長はこのように述べている。「ヘレン・クーナン氏は、我々、そしてバーギン氏の調査結果に非常によく対応している。彼女はしっかり理解している。これは非常に深刻な問題であり、まさに危機管理上の問題だ。
その対応と変化の必要性の認識がなければ、クラウンが適格になることはないと思う。しかし、初日から彼女は、どれだけひどい状態だったか、そして調査で明らかとなった問題へのショックと失望について非常にオープンで率直だった。また、その対策を相当早いスピードで実施する必要があることも理解している。
大きな要件の1つが、多くの人がその場所の文化を変化させるよう取り組まなければならないというものだった。というのも、その多くがトップからのリーダーシップだからだ。そしてそのプロセスはほぼ完了しつつある。今では、法令遵守義務に対処し、組織犯罪からの侵入に対する防御策を講じることができるより良い環境が整ってきている。その環境が整っていることが非常に重要だ。
3年近く他の法域でビジネスを行ってきた企業が、適切な措置を講じていなかったことは皮肉であり、ほぼ信じがたい。これは我々が扱っているようなスタートアップ企業ではない。
クラウンは、NSW州の事業者としてはまだスタートしておらず、彼らがここに来る前にしっかりと対処できたことをうれしく思う。しかし、同社にとっては、あまりにいろいろな意味で欠けていると判断されたことは非常に残念であり、恥ずべきことだ。我々の調査はたった6、7年しか遡っていない。そしてそこには一生分に足るほどの充分な行為があった」。

NSW州でクラウンに有利に働くことというのは、バーギン調査によって明かされた業務上の欠陥が、ビクトリア州と西オーストラリア州での同社の業務にほぼ完全に関係しているという事実だ。実際、2019年8月にNSW州の調査が最初に求められた際には、クラウンの社内AML管理をめぐる懸念という意味合いはそれほど大きくなく、パッカー氏のCPHがクラウンの19.99%の株式をマカオのカジノ事業者であるメルコリゾーツ&エンターテイメントに売却したことへの対応に関しての調査を求める声の方が大きかった。
その主張というのが、メルコとその会長兼CEOであるローレンス・ホー氏の関与は、2014年に締結されたクラウンのNSW州ゲーミングライセンスへの違反だというもので、ライセンスは具体的にスタンレー・ホー氏およびスタンレー・ホー氏の近親者のどちらも、クラウンに直接株式を保有することを認めないと定めていた。
マカオの巨大カジノ産業構築の立役者であるスタンレー・ホー氏は、ローレンス・ホー氏の父でもあり、昨年98歳で亡くなるまで、メルコリゾーツの親会社、メルコ・インターナショナル・ディベロップメントの実権を握っていた。
結局、そのどれもが問題ではなくなった。というのも、メルコは調査が始まる前にすでにクラウンの取引から手を引いており、結果、バーギン氏は、CPHとメルコが交わした契約はどちらにせよクラウンのNSW州ゲーミングライセンスへの違反とはならないと判断した。
クラウンが適格になれると仮定すると、それは白紙の状態からシドニーのカジノをオープンするチャンスを提示しており、ILGAはき っとそのようなシナリオを受け入れることだろう。
ILGAのゴールとは、クラウンが適格に達するのを助けることだ ったのかというIAGからの質問に対してクローフォード局長は、「ゴ ールというものは設定していない。しかし、政府との間で交わされたこれら契約の下での我々の義務に従う中で、誠実に振る舞いたいと思っている。規制当局としての明らかな義務とバランスを取りながら、自分たちが安心して彼らを適格だと判断する地点までも っていけるのかどうかを見極めるという思いだけでこのプロセスに着手した。
私を心配させるような行為や振る舞いが見られるようであれば明らかに懸念すべき問題だが、まだそういったものは見られていない。ヘレン・クーナン氏の下の取締役会は、バーギン氏の懸念、そしてバーギン氏の下での主な提言を受け入れるために一生懸命努力しているのが見られる。したがって、現時点では文字通り、彼らはやるべきことをやっている」。
ILGAは、まだデロイトオーストラリアによるクラウンの全ての金融口座の監査(『他の口座は組織犯罪に入り込まれておらず、彼らの金の取扱いに不規則性がないことを確かめる』ことが狙い)の結果を待っている一方で、12月28日にオープンしたクラウン・シドニーのゲーミング以外の施設に対して暫定的な酒類ライセンスを付与した。クローフォード局長はまた、その暫定ライセンスが現在の4月30日という期限を超えて延長される可能性が高いことも示唆した。
しかし、NSW州で様々なことが進んだにもかかわらず、クラウンにとってより大きな懸念とは、クラウン・メルボルンとクラウン・パースがあるビクトリア州と西オーストラリア州であるようで、両州の政府がバーギンレポートへの対応として、独自で王立委員会を発足させている。
ここで湧いてくる明らかな疑問というのが、これらの州の当局は、NSWがまだ明らかにしていないような何かが見つかることを期待しているのか、そしてクラウンはまだ着手していないどのような是正措置を講じられるのかというものだ。
両方が時間の経過とともに明らかになるだろう。クラウンにと っては、西オーストラリア州とは異なり、王立委員会の付託条項に『コミッショナーは必ずしもバーギンやその他の調査結果を信頼する必要はない』と記載されているビクトリア州での手続きに関して、少なくとも幾分不安に感じるだけの充分な理由がある。

「それによって、コミッショナーが調査に1,000万豪ドル(8億4,000万円)を費やすことを正当化するための活動分野が開かれる」。そう語るのは、南オーストラリアの元ゲーミング規制担当者で長年シンガポール政府及びマカオ政府へのアドバイザーを務めるデイビッド・グリーン氏。
「私の見方では、彼らはおそらく、バーギン氏が大部分を手つかずのまま放置した事柄について厳しく掘り下げる可能性が高い」
グリーン氏は、最初の寄港地の1つが、ロバート・ランキン氏になると予想する。クラウンの元会長で、2016年10月に中国本土でクラウン従業員19人が逮捕された(そのうち16人が後に実刑判決を受けた)際に取締役会にいた人物だ。現在、海外に拠点を置くランキン氏は、NSW州の調査に出頭することは拒んだが、ビクトリア州王立委員会の権限の下では出頭せざるを得ず、再びうまく身をかわすようなことがあれば、自身が実刑判決を受けるという状況に直面する可能性がある。
また、非難の的になる可能性があるのがクーナン氏で、グリーン氏は、彼女がNSW州最高裁元判事であるアンドリュー・ロジャ ース氏と結婚していることを指摘する。1999年から2017年まで自身もNSW州最高裁判所判事を務め、ロジャース氏をメンターとして、2009年3月からは衡平法主席判事という同氏の職を引き継いだ。
グリーン氏は、「シドニーの委員会は本当に (クーナン氏に) かなり楽な道のりを与えた、そしてそれがなぜだったのか推測できる。この人々は知り合いで、バーギン氏はこれまでそれを明かしていない。彼女は確実にクーナン氏からの証言聴取のメンバーから自身を除外しなかった。
これらの事柄は重要であり、新たな汚れを掘り起こすよう指示されていると認識しているコミッショナーがいるビクトリア州では、クーナン氏が過去9年間クラウンの取締役会に在籍していたという事実について、はるかに厳しく問い詰める可能性がある。ビクトリア州では、西オーストラリア州では公表されない可能性が高いような事柄が出てくる可能性が実に高い。というのも西オーストラリア州ではバーギン氏の調査結果を信頼することが認められており、バーギン氏が取り扱ったことの大半が記録されており、手続きに組み込まれるという前提でスタートするからだ。
それに関しては、クラウンはすでにバーギンレポートの結果に対処するための様々な策を講じている。
昨年10月、同社はパッカー氏が持つ取締役会への影響力に関する懸念を受けて、CPHとの2つの契約を解除した。その1つが2018年の支配株主契約だ。他の株主ではなくパッカー氏に対して、会社の日々の業績に関する情報、財務予想、そしてVIP事業からの収益に関する詳細情報が提供されていた。そしてもう一方の協定が2016年のサービス契約である。クラウンに対して、事前に合意された時給でCPHの主要幹部に出勤を求めることを認めるものだ。
特に、2月のバーギンレポート公開後に最初に辞任した2人の取締役、ジャランド氏とジョンストン氏は、両者共にクラウンの取締役会でパッカー氏の代理の役目を果たしていたCPHの幹部だった。
CPHとの契約終了の1カ月後、クラウンはビクトリア州、ニューサウルウェールズ州そして西オーストラリア州にある同社のカジノでのジャンケット事業者との全ての活動を永久に停止し、今後のパートナーシップは現地のライセンス承認の対象になるというニュースが伝えられた。
12月、クラウンは、ナショナルオーストラリア銀行の元最高金融犯罪リスク責任者でグループマネーロンダリングレポーティング責任者のスティーブ・ブラックバーン氏を新たに最高コンプライアンス・金融犯罪責任者に任命したことを発表した。2021年3月1日付で同職に就いたブラックバーン氏は、AML管理が相当不足しているという問題の解決を任されている。
では次にクラウンに待ち受けることとは?
NSWの元規制担当者で、法律事務所Senetの規制顧問実務トップのポール・ニューソン氏は、最も難しい仕事の大半が既に完了しており、二州での王立委員会の設置というのは、クラウンがその改革の道のりに関して説得力のある話ができなかったことが少なくとも一部原因となっていると指摘する。

ニュートン氏はこのように話す。「当時のCEO(バートン氏)との会話、そして(2020年10月の)年次株主総会での話を聞くと、クラウンが些細とは言えないほどの改革に着手しており、彼らが実体ある対策を進めていたことは明らかだった。
慎重に進めるため、おそらく法的なアドバイスから、そして一部臆病になっていたこともあり、彼らは影響が強いやり方でそれを公にはしないと決めたのだと思う。彼らは確実にそれに関して説得力のある話をしなかったし、私は彼らが調査の邪魔になる、または調査に干渉していると見られることについて臆病になっていたと思う。
私の見方では、彼らは改革の道のりを歩みだしていて、そしてそれについてやる気に満ち溢れていると人々に伝えるチャンスを逃した。
王立委員会であろうとなかろうと、クラウンにとっての目の前の優先事項というのは、そもそも彼らをこの立場に追いやった取締役たちよりもふさわしい人物を取締役会に迎え入れることだろう。
その筆頭がナイジェル・モリソン氏だ。1993年から2000年までクラウン・メルボルンのCFOを務め、その後マカオのギャラクシーエンターテインメントグループのグループCFO、そしてもっとも最近ではニュージーランドのスカイシティ・エンターテイメント・グループのCEOを務めたゲーミング業界のベテラン。モリソン氏は、規制当局からの承認を待って、非業務執行取締役に就くことがクラウンから発表されており、業界内では高く評価されているが、今のところ、パズルにある唯一のピースとなっている。
クラウン取締役会の今後の構成に関する考えを聞かれたクロ ーフォード氏は「彼らにはシステムを整えることが必要で、組織犯罪による潜在的な攻撃に対する緩衝材として、何をするためにそこにいるのかを良く理解し、良い仕事をする上級幹部が必要だ。我 々にとってはそれが大きな問題だ」とは説明する。
「実際、2つのレベルの話であり、一つはカジノ運営上、そしてもう一つは単に会社法の下で定められた義務を持つ上場会社として。彼らはその大半に関して誤っているために、我々が満足する水準まで物事を是正することが非常に重要だ」。「カジノである程度の経験を持つ人がいいと思う。そして数字に強く、会社法、そして取締役としての義務をよく理解している経験豊富な人物がいい。我々が持つ懸念に関して具体的な経験を持ち、カジノというビジネスを運営する経験を持ったバランスの取れた人物が必要だと思う」。
しかし、グリーン氏は、取締役会の改善は解決策の一部にすぎないと言う。
同氏は「問題はそれよりも根深い」と話し、以前のような株主契約が無くなっても、パッカー氏が依然として同社の36%を所有しているという事実を指摘する。
「パッカー氏が会社の36%を持ったままそこにいる限り、同社がゲーミングリスクに対処する方法は常に彼の利害を尊重する形になる。それが、彼らにとってなぜ適格性が問題であるかもしれないのかということについての根本的な問題の1つなのではないかと思う。彼らは本当の意味でパッカー氏と切り離されているということが示せるのか?」
クローフォード氏は、パッカー氏問題に関して具体的な発言はできないとは言うものの、「その持株について、そして影響力をめぐる懸念に対処する最善の方法について、CPHと協議中だと思ってもらってもいい。現在、確かに協議を続けている」と付け加える。
パッカー氏が保有株式の売却を計画しているかどうかという疑問については、バイアウトの可能性に関する最近の話し合いを考えると、議論の余地があるものだろう。3月21日、クラウンはアメリカのプライベートエクイティ大手のブラックストーン・グループから、全発行済み株式を取得するための約80億豪ドル(6,700億円)の一方的な買い付け提案を受け取った。ブラックストーンは現在、昨年メルコから買い取ったクラウン株9.99%を保有している。誰に聞くかによって、1株当たり11.85豪ドル(990円)という提案は印象が異なる。提案時のクラウン株1株当たり9.91豪ドル(830円)という株価を考えると、かなり寛大なものであるし、30カ月高値である14.20豪ドル(1,190円)をベースにすると極めて安い。ブラックスト ーンとの取引の可能性に関するニュースが報じられたことで、クラウンの株価は即座に10豪ドル(830円)から12豪ドル(1,000円)へと上昇した。ただしこの取引は、クラウンを所有するためのブラックストーンの適格性など、付帯する条件の長々としたリストを考えると、完了までには程遠い。
しかしながら、注目すべきはパッカー氏がそれ以来、クラウンがイエスに票を投じれば邪魔をしないと述べていることで、メルコとの当初の取引が失敗に終わった後で、パッカー氏に別の出口を与えてくれる可能性がある。
ビクトリア州の王立委員会での手続き初日にコミッショナーのレイ・フィンケルスタイン氏がした発言を考えると、その機会はさらに魅力的なものになる可能性がある。フィンケルスタイン氏は、主に時間が足りないという理由で、NSW州でバーギン氏が既に取り扱った内容を再び調べるのは公共の利益にならないと述べた一方で、クラウン・メルボルンでの資金洗浄、まだそれが行われているのか、そして過去の軽率な行動が同施設のカジノライセンスへの重大な違反となるかについて詳しく調べることを約束した。また、ギャンブル依存症に関する問題へのクラウンの対処法についても調査することを約束した。王立委員会が政治的動機に基づいているという懸念を考えると(メルボルンで行われた軽率な行動を明らかにするために州境の北から当局を連れてきた)、クラウン幹部は今後さらに眠れない夜に直面する可能性がある。

クラウンがもしブラックストーンに株式を売却するとなれば、同社のシドニーでのライバルでスター・シドニーを運営するスター・エンターテインメント・グループは、クラウン・シドニーのゲーミング事業の運営を任される可能性があるということが示唆されている。
JPモルガンのアナリスト、ドン・カルドゥッチ氏とアビナイ・ ジェガンナガリ氏は、そのような調整は、ブラックストーンがラスベガスで用いた手法とよく似ていると指摘する。同社はベラージオ、MGMグランド、マンダレイ・ベイを買収するために過去2年間で約90億米ドル(9,800億円)という資金を費やしてきた。
アナリストたちはリサーチレポートにこのように書いている。「ブラックストーンが不動産を所有し、事業者(MGM)から家賃を受け取る。ブラックストーンは、クラウンを、プレミアムホテル/観光資産を保有する不動産会社、そしてカジノを運営する会社 (承認/適格性/適切な所有者を見つけることが条件)に分けるという同様の戦略を適用しようとする可能性がある。
ブラックストーンがカジノを運営できない、または運営したくないという場合、スターは所有者のために運営を行う会社として適格性をより容易にし、同時にオペレーションに対するサービス料金を取りつつ、またシドニーでの競争を避けることができる」。
クラウンがまとめてライセンスを失うことはあり得るのか?グリ ーン氏によれば、そのような可能性は低いと言う。たとえその行為の後始末をするためのクラウンの努力にまだ納得がいかないままであったとしても。
「今の問題とは、彼らは実際にこれら王立委員会の終了までに特定されているであろう多くの欠陥や欠点を是正することができるのか?というものだ」 グリーン氏は問いかける。
「その欠陥が非常に根深く、(クーナン氏を含む)全員が完全に変わらなければ、実際には不可能だという意見がある。そこで問題になるのが、誰が取締役会に加わるのか、そして過去にしっかりと監視できていなかったのではと指摘されていることを考えると、規制当局側は適格性を確保するために、今回はどのようなプロセスを適用するのか?調査結果というのがあまりに重大すぎてクラウンが適格性を満たせず、ライセンスを失うリスクが生じる可能性はあると思う。しかし、政府はそれら収入源と関連が深いために、クラウンに退場を宣告し、ライセンスを他の誰かに与えるというのは大きな決定になるだろう。
結局は起こってしまったことは起こってしまったことであり、たとえ資金洗浄があったと証明できたとしても、彼らにはおそらく巨額の罰金が科され、そして気持ちを切り替えて前に進む。それが唯一の落とし所になるのではないだろうか」。