アジアのゲーミングおよびレジャー業界を取材して16年目を迎えたIAGの新連載では、「Making waves(ウェーブを起こす)」というちょうど10年前に書かれた特集記事の1つから、2011年3月当時の話題を振り返る。
後知恵というのはすばらしいものだ。
Inside Asian Gamingの2011年3月号では、称賛からはかけ離れた投資家意識など、ギャラクシー・マカオの展望について素晴らしく掘り下げた内容が特集された。当時は開業までたった数カ月という時期だった。
特に、この記事は、より楽観的な見方をする投資銀行の1つであるユニオン・ゲーミングのコメントに注目しており、ギャラクシー・エンターテインメント・グループの149億香港ドルをかけたギャラクシー・マカオ開発に対する「非常に低い期待」について述べていた。
ユニオン・ゲーミングはGEGがコンセンサス予想を上回ると予想したものの、なおも2011年は比較的控えめな収益307億香港ドル、EBITDA 34億香港ドル、2012年にはそれぞれ445億香港ドルと54億香港ドルに増加すると予想していた。
しかし、2011年はGEGにとって人気に火が付くのが遅い年であることが判明したものの、2012年には全く異なる様子となり、収益は567億香港ドルに、そしてEBITDAは98億香港ドルへと急増した。
もちろん、ギャラクシーの成功物語は今や誰もが知る話だ。マカオで(つまりはアジアで)最も大きな成功を収めた施設として、サンズ・チャイナのザ・ベネチアン・マカオと肩を並べたギャラクシー・マカオは、新型コロナウイルス感染症が市場全体を抑制する前の2019年に、GEGの総収益を519億香港ドルに、そしてEBITDAを165億香港ドルにまで押し上げるのを助けた。
ギャラクシー・マカオの成功のおかげもあり、GEGはまた、マカオのゲーミングコンセッション保有6社全社の中で新型コロナの感染拡大を乗り切ることができる最も好位置につけており、2020年末時点で432億香港ドル(約5,870億円)もの備蓄があった。
ギャラクシー・マカオが非常に収益が多いと証明されたために、GEGは2021年2月、ギャラクシー第4フェーズ開発の資金全てを自社で賄うと発表した。