マカオの新型コロナウイルス対応調整センター(Novel Coronavirus Response and Coordination Center)が、市内のいずれのカジノ入場時にも、今後新型コロナウイルスのPCR検査陰性の結果提示を求めないことを発表した。
検査結果の提示義務が最初に導入されたのは、広東省からマカオに入境する人への隔離義務が初めて解除された2020年7月のことで、3月3日(水曜)付で発効となる検査義務の撤廃は、それから8カ月後のこととなる。
新型コロナウイルス対応調整センターによると、中国本土で新型コロナの新規市中感染が24日間確認されていないこと、そしてその他の対策が継続して実施されることから今回の決定に至ったという。中国本土からの訪問客には、今後もマカオ入りする前に陰性の検査結果を取得することが求められると同時に、カジノ側はグリーンの健康コードシステム、マスク着用義務、ソーシャルディスタンスの確保およびプレイヤー間の仕切りなどといった他の予防策を続けていく。
JPモルガンのアナリスト、DS・キム氏とデレク・チョイ氏は、火曜のレポートの中で、本土からの訪問客がマカオ入境時に陰性の検査結果の提示をなおも求められることを考えると、今回の変更の大部分は本質として象徴的ではあるものの、一部の地元住民が戻ってくるのは後押しするはずだと述べた。
「この変更は、新型コロナのテスト要件が導入された7月半ば以降ほぼゼロに等しかった地元マカオ人からの需要を復活させる助けとなるだろう。
我々は、地元住民が新型コロナ前のGGRに占めていた割合は一桁台前半(SJMなどの事業者よりは高い)だと見積もっており、今回のニュース自体はそれほど大きな意味を持たないことは認める。しかし、大事なのは、先週の感染リスクの高い地域の撤廃同様、その意図というのが、我々の見方ではおそらく、(マカオと中国の)政府が新型コロナ関連の制限を緩和していくことに関してますます不安を感じなくなっていることを示しているということだ。我々は、今回のニュースは方向性としては前向きだと見ている」と書いている。
マカオのゲーミング監察協調局は今週、2月のゲーミング粗収益が73億1,000万パタカ(約976億円)であったことを報告しており、全体としては1月のGGRより少ないものの、1日あたりの収益平均では2020年1月以降で最も高い水準となった。