ゲンティン・マレーシアは、米子会社のゲンティン・ニューヨークからの求めに応じて、同子会社が「苦難の時」に直面し続けた場合、同社に対して追加の資金提供を行う可能性が高いと格付け機関のフィッチが警鐘を鳴らした。
そのような資金注入の可能性は、フィッチが出した月曜のレポート内で説明されており、その中で同格付機関は、リゾートワールド・ニューヨークを運営するゲンティン・ニューヨークに対して、発行体デフォルト格付けを「BBB-」とし、見通しは「ネガティブ」とした。フィッチは、今回の格付けは親会社のゲンティン・マレーシアと密接につながっていると述べ、その理由を2社の強い繋がり、そしてゲンティン・マレーシアの長期成長目標にとって同米子会社が戦略的に重要であるということを挙げた。
また、ゲンティン・ニューヨークがゲンティングループの最終親会社であるゲンティン・バーハッドにとっても同様に重要であることも指摘し、このニューヨークの施設が40億米ドル(約4,150億円)のリゾートワールド・ラスベガス開発への重要な資金提供役を果たすことになると述べた。リゾートワールド・ニューヨークはスロット限定のカジノで、約6,500台のビデオくじ端末と電子テーブルゲームが提供されている。
フィッチは、「ゲンティン・ニューヨークとゲンティン・マレーシアの強力な全体の繋がりは、その重要な戦略的関係と適度な業務上の相乗効果によって推進されている。
同グループはその多様化と成長イニシアチブによってグループにとって重要な市場である米国で大規模な投資を行ってきた。ゲンティンは、ラスベガスの新カジノに40億米ドル以上を投資し、ゲンティン・マレーシアはこれまでにゲンティン・ニューヨークに5億3,500万米ドルの投資を行なってきた。
我々はその一致した利害によってゲンティン・マレーシアに間もなく支援が届くだろうと見ている。ゲンティン・マレーシアにとってのゲンティン・ニューヨークの重要性は、ニューヨーク市近隣で最大のカジノであることからリゾートワールド・ニューヨークがパンデミック前に申し分のない業績を挙げていたこと、その強固な地元市場シェア、そしてニューヨーク・アップステートにあるカジノの独占営業期間が2023年に終了した後、テーブルゲームライセンスを確保するという長期的な可能性によってさらに強調される」と述べた。
フィッチはまた、ゲンティン・ニューヨークとGENNYキャピタルが既存債務の借り換えのために発行する予定の提案中の無担保社債にも「BBB-」の格付けをしている。