横浜市はIR施設の「実施方針案」を公表

　横浜市は11日、カジノを含む統合型リゾート（IR）の誘致に向け、IR施設の概要や事業者の役割などを示した「実施方針案」を公表した。日本経済新聞などが伝えた。今後、同市がIR事業を関係者で議論する協議会で決定し、事業者公募などの手続きを進める。

　11日の市議会の常任委員会に「実施方針案」と、応募するIR事業者など向けに手続きなどを定めた「募集要項案」を提出。市民向けのシンポジウムや説明会の開催なども報告した。

　実施方針案は、山下ふ頭（同市）を予定地として国際会議場や魅力増進施設、宿泊施設などをカジノ施設とともに民設民営で設置するものと規定。事業者には危機管理や観光・経済の活性化に努めることなどを求め、事業が困難となった際のルールなどを盛り込んだ。

　出席した委員からは「ある程度の形がみえてきた」「横浜にとってプラスになる計画しか受け付けないと主張すべきだ」などの意見が出た一方、「提出のされ方が唐突だ」「議論がまだ必要だ」との声も出た。

　横浜市の林文子市長は19年8月にIRの推進を表明し、当初は20年前半に実施方針を公表する計画だった。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大やIR汚職による国の作業遅れなどに伴い、実施方針の策定などの作業が先送りになっていた。