多くの問題を抱えるマカオのホテルTHE 13を所有・運営するサウス・ショア・ホールディングスが、ホテル営業の停止が続いた影響で2020年9月30日までの6カ月間に親会社の株主に帰属する損失が4億2,900万香港ドル(約58億円)にのぼった事を報告した。
この半期損失は昨年報告した5億700万香港ドルからは15%の改善を示しており、同社が51.76%を所有するエンジニアリング会社、ポールY.エンジニアリンググループ(PYE)での1億1,600万香港ドルの営業利益が後押しする結果となった。
しかしながら、それらのプラスは、新型コロナウイルスの感染拡大によって今年始めに営業を停止してから収益がゼロとなり同期間に5億1,300万香港ドルの損失を報告したTHE 13によって相殺された。
直近の業績発表からたった数日後には同グループの株主の1社であるグローバル・アロケーション・ファンドが、同社の解散の是非を問うために呼びかけた臨時株主総会が行われる。
グローバル・アロケーション・ファンドは臨時株主総会の要求時、「グループの純負債高、ホテル営業の停止そして全体としてのホテルの業績不振」といった理由から、サウス・ショアにとって会社の清算が最善の選択肢だと考えていると述べていた。
同社は、「会社の残りの価値は、裁判所による監督の下で行われる独立したアンワインド(巻き戻し)プロセスによって最も最大化される」と述べた。
サウス・ショアは今年に入って、マカオにあるTHE 13ホテルへの担保の実行と会社の清算を阻止するため、銀行に返済の「一時停止」を申請することを余儀なくされていた。その申請は、ファシリティ契約の下で同社が支払うべき24億8,000万香港ドルの即時支払い要求を出した銀行に対応したもので、サウス・ショアは2020年3月31日期限の4億7,000万香港ドルの返済は不可能だと述べていた。
同社はそれ以降、ホテル事業での64億8,000万香港ドルの未払負債を理由に、2021年3月31日の会計年度末前にTHE 13の売却を試みる計画を説明している。
