サンズ・チャイナが2020年7-9月期に5億6,200万米ドル(約590億円)の純損失を報告し、純収益は前年比92.1%減の1億6,700万米ドルに落ち込んだことが親会社のラスベガス・サンズが発表した業績から分かった。
今回の業績は、サンズ・チャイナが20年第2四半期に報告した収益から4,000万米ドル改善したことを意味しており、マカオ-中国本土間の入境制限の緩和を反映している。昨年同四半期は4億5,400万米ドルの純利益を報告していた。
シンガポールのマリーナベイ・サンズ(MBS)でも改善が見られており、EBITDAは第2四半期に1億1,300万米ドルの損失を計上した後、今回は7,000万米ドルの黒字に転換した。MBSでの純収益は前年比64.6%減の2億8,100万米ドルとなり、カジノ収益は1億9,700万米ドル。20年第2四半期はそれぞれ2,300万米ドルと700万米ドルだった。
ラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長兼CEOは、「新型コロナウイルスのパンデミックからの回復プロセスが、当社が営業する市場のそれぞれで前進し続けていることを報告出来て嬉しく思う。
我々は、この市場全体の旅行および観光支出の最終的な完全回復、そして当社の将来的な成長のチャンスに関して現在も楽観的な見通しを持ったままでいる。当社の財務的な強さが幸いにも、以前発表したマカオとシンガポール両方での資本支出プログラム、そして新市場での成長の機会を模索する努力を支えてくれる」と述べた。
同社のマカオのカジノは、2億3,300万米ドルの調整後EBITDA損失を報告しており、ザ・ベネチアン・マカオは純収益6,800万米ドルで7,800万米ドルの損失、ザ・パリジャン・マカオは収益4,000万米ドルで4,000万米ドルの損失となった。
ラスベガス・サンズは、純収益が5億8,600万米ドルへと82.0%減少したことでグループ全体の営業損失が6億1,000万米ドルにのぼったことを報告した。