クラウン・リゾーツのニューサウスウェールズ州(NSW)カジノライセンス保有適性への調査を監督する判定員が、同社の社内マネーロンダリング対策管理を「大失敗」と表現した。
クラウンのケン・バートンCEOが証人台に立った今週の訴訟にコメントした検査官のパトリシア・バーギン氏は、クラウン・メルボルンにある自社カジノ内に位置するジャンケットルームで行われたデポジットと送金に関して認識していないとするバートン氏の発言に疑問を呈した。
バーギン氏はまた、その経営陣が知らない場合、ビクトリア州のゲーミング規制当局はクラウン・メルボルンの壁の中での出来事をどう追跡できるというのかということについても指摘した。
バーギン氏は、「これが頭を悩ませているものだ。もっと透明性が無ければならない。というのも、事実上これは本当に大失敗のレベルに達している。現時点で、単に異常に厄介な問題だ」と述べた。
NSW独立酒類・ゲーミング局が行った今回の調査は、昨年予定されていたクラウンの筆頭株主であるジェームス・パッカー氏によるメルコリゾーツへの19.99%の株式売却の後に続くものとなる。メルコは最終的に、その株式の残り半分の取得から手を引いており、その後取得した9.99%を今年に入って売却した。
メルコがもう関わっていない中、今回の調査はとりわけ、組織犯罪に繋がっていると言われるアジアのジャンケット利用を前提に、特定の豪メディアを通じて昨年報じられたクラウンのAML管理を疑問視する訴えに焦点を当てている。
NSW独立酒類・ゲーミング局は当時、これらの報道が「クラウン・リゾーツおよび問題に関係すると言われる提携企業やビジネスパートナーの行いに様々な疑惑を引き起こし、同ライセンス保有者がカジノ管理法の目的において制限付きのゲーミング営業権を保持する法人としての適性を現在も有しているか否かについての疑問を提起した」と述べた。
クラウンは、今年中に22億豪ドルのVIPカジノ「クラウン・シドニー」のオープンを予定しており、そこではジャンケットがハイローラーの紹介において重要な役割を果たす予定だと想定されている。
また今週には、パッカー氏の右腕の金融マン、マイケル・ジョンストン氏がクラウン株の売却を前に同社の筆頭株主に利益を与える可能性があるようクラウンの財務予測を書き換えようとしたという疑惑も持ち上がっている。ジョンストン氏は、クラウンとパッカー氏のコンソリデイティッド・プレス・ホールディングス両方の取締役を務めていた。