ブルームベリー・リゾーツの子会社で、マニラのソレアリゾート&カジノの運営を担当するブルームベリー・リゾーツ&ホテルズ(BRHI)が、バングラデシュ中央銀行が17のフィリピン企業及び個人に対して起こした民事訴訟に関わる呼出状を郵送で受け取ったと明かしている。
2016年にハッカーによってバングラデシュ中央銀行から盗まれ、その後フィリピンのカジノを通じて決済され、行方がわからなくなった8,100万米ドル(約84億8,293万円)の少なくとも一部を取り戻すことを目指すその民事訴訟は元々、5月にニューヨーク州裁判所で提起された。BRHIは2020年9月9日に呼出状を受け取ったと述べた。
BRHIとソレアの他に、この訴訟で他に被告として名前が挙がっているのが、マニラ北部のクラーク・フリーポートゾーンに位置するミダス・ホテル&カジノなど。
訴状は、横領、窃盗および不正流用、同行為へのほう助、同行為への共謀、詐欺、詐欺ほう助および詐欺共謀、動産に対する侵害の共謀、不当利得および受け取った金の返金を訴えている。
ブルームベリーが5月に述べていたように、この新たな民事訴訟は、連邦地方裁判所からの以前の民事訴訟の棄却に対するバングラデシュ中央銀行の上訴がまだ係争中であるという事実にもかかわらず提起された。
元々の2016年の事件では、北朝鮮のハッカー集団がニューヨーク連邦準備銀行にあるバングラデシュ中央銀行の口座からおよそ10億米ドルを引き出すために35回の偽の送金指示を送った。同米銀は大半の指示をブロックしたものの、それまでにすでに合計1億100万米ドル相当の五つの決済が処理されていた。
バングラデシュ中央銀行は結局、スリランカに送金された2,000万米ドルは取り戻したものの、フィリピンのリサール商業銀行(RCBC)に送金された8,100万米ドルは決済処理され、一部がカジノに流れたことで行方が分からなくなった。ソレアでは資金の一部がジャンケットルームでのゲーミングチップ購入とプレイに使用された。
ブルームベリーは、「きっぱりとこれら根拠のない訴えに対して自らを擁護していく」と述べている。