北マリアナ諸島連邦とその唯一の認可カジノ事業者インペリアル・パシフィック・インターナショナル(CNMI)が、カジノライセンス契約違反で互いを非難し合っている。
事態が急展開したのは、現在カジノリゾート、インペリアル・パレス・サイパンを開発中のIPIが最近になって2020年の年間カジノライセンス料1,550万米ドル(約16億3,326万円)の減額を求め、それに続いてCNMIのラルフ・トーレス知事が手数料が支払われなければIPIのライセンスを停止または取り消すと脅したことによる。
先週木曜、連邦カジノ委員会(Commonwealth Casino Commission)はIPIに対して異議通知を送達し、その中には「被告であるIPIによる規定された合意およびカジノライセンス契約の重大な違反は、(委員会との)契約違反であり(中略)、当連邦はIPIによる重大な契約違反によって損害を受けている」と書かれていた。
この通知にはまた、同委員会が「サイパンでゲーミング営業を行うためのIPIのライセンスは、年間カジノライセンス料が全額支払われるまで停止されることを認め、宣言し、そして命じる」とも書かれていた。
しかしながら、IPIは、CEOであるドナルド・ブラウン氏からトーレス知事に当てた書簡を通じてそれを打ち返した。その中で、同氏はIPIがサイパン島において独占的にカジノゲーミング活動を運営することを認める2014年8月に署名された元々のカジノライセンス契約に言及している。
ブラウン氏は、米連邦のカジノゲーミングの法的定義には、ポーカーマシン、スロットマシンおよびeゲーミングマシンが含まれていると指摘する。現在サイパンには2社の認可電子ゲーミング機(EGM)事業者があり、その2社で約310台のEGMを持っている。そしてそれとは別に何十ものポーカーマシン店があり500台が設置されている。
「CNMIは独占ライセンス保有者以外がカジノゲームを運営することを許可しただけでなく、カジノギャンブルの急増を許したことで、収益の喪失を通じて独占ライセンスに回復し難い損害を引き起こした。
カジノライセンス契約の中に、他社によるカジノゲーム営業を認めるような例外は見当たらない。IPIはカジノゲーミング活動への独占権がこれほど簡単に破られることは予想していなかった。
ポーカーマシンおよびeゲーミングが当社カジノ外で運営されるのを認めることは、IPIが保有する独占ライセンスへの侵害だ」
現在カジノライセンス契約が6年目となる中で、ブラウン氏は代わりに15年目である2029年までの年間手数料延期を求めている。