サイパンのカジノ事業者であるインペリアル・パシフィック・インターナショナル(北マリアナ諸島自治連邦区)は、新型コロナウイルス感染症の影響により支払不能を理由として、書面で連邦カジノ委員会(Commonwealth Casino Commission)に1,550万米ドル(約16億5,530万円)の年間ライセンス料の減額を依頼した。
Inside Asian Gamingが確認した8月11日の日付の手紙では、IPI(インペリアル・パシフィック・インターナショナル)のドナルド・ブラウン最高経営責任者は3月にカジノを休止したため、8月12日(水)支払期限の2020年度のライセンス料を会社が払えないことを明らかにした。
「もう8月になったが、IPIはここ最近の5カ月は収入がない状態だ。国際線は2021年1月前には再開しないとみられ、北マリアナ諸島自治連邦区への観光は2021年5月前には再開しないだろう。おそらく、IPIの休止が続いて、これから8カ月も収入がない状態が続く」とブラウン氏が説明した。
同社は元従業員の本国送還の費用を負担しながら、多くの従業員に無給休暇をさせて、ある程度の経営費と従業員給与の費用が残っている。ブラウン氏は新型コロナウイルス感染症を「典型的な不可抗力」と呼び、カジノライセンス契約に規定されている控除を求めている。
手紙では「カジノライセンス契約第25条に従って、そして世界的なパンデミックのため、2020年度のカジノライセンス料の減額を要望する」。他には、IPIが再開しなければ監視するカジノ事業がないからという理由で、CCCの行動を支援するために年間300万米ドルの支払いをインペリアルパレス・サイパンが再開する30日間前までの延期が要求された。
IPIの不安定な財務状態は耳新しい話ではない。Inside Asian Gamingが伝えた通り、IPIは最近、当時払えないと主張したパシフィック・リムの判決執行を待つ間に、サイパンのカジノ、インペリアルパレス・サイパンを永久に閉鎖する事を余儀なくされる可能性があると警告していた。
連邦カジノ委員会(Commonwealth Casino Commission)もカジノライセンス契約で定められている通り地域便益基金に3,700万米ドルを支払わなかったことで同社のカジノライセンス停止の構えを示している。
5月に北マリアナ連邦公共設備企業体(Commonwealth Utilities Corp)が料金滞納でインペリアルパレス・サイパンと同社本社の電気を止めた。
IPIの株が1月9日の2020年最高記録の$0.101香港ドルから、1週間前は$0.029香港ドルそして先週末最低$0.010まで減少した。史上最高記録は2015年中間の$0.360香港ドルだった。