アジアトップのジャンケット事業者、サンシティグループのアルヴィン・チャウCEOが、サンシティVIPクラブの財務内容を公開するという前例のない行動を取った。サンシティVIPクラブは、アジア全土でVIPクラブを運営する非公開会社で、サンシティは週末、中国本土の犯罪防止捜査のターゲットであることが噂されていた。
昨夜公開された7分間の録画ビデオメッセージの中で、チャウ氏は、ここ数日間にソーシャルメディアで広がっているサンシティに関する一連のうわさを否定した。その中には、同社が香港の暴徒に資金援助した、中国当局による捜査のターゲットにされている、その当局が同社が持つ顧客情報を保有している、そしてサンシティが顧客からの預り金をカバーできなかったというものなどが含まれていた。
チャウ氏によると、どのうわさも真実ではない。
自身の言い分を裏付けるために、サンシティグループの銀行取引明細書の画像を公開したチャウ氏は、サンシティVIPクラブには総額105.8億香港ドル(約1,460億円)もの準備金があり、サンシティVIPクラブの日々の業務に使用される186億香港ドル(約2,565億円)のキャッシュフローが手元にあることを明かした。また、マカオの2つの銀行への預金総額は165億香港ドル(約2,275億円)にのぼる。
チャウ氏は、「我々は、全ての顧客のあらゆる貸倒金やチップデポジットを埋め合わせるだけの能力と十分な資金を持っている。サンシティが非常に安定した財務状態にあることを繰り返し言いたい」と述べた。
中国本土で現在犯罪防止捜査が行われている兆候に対して、チャウ氏はこれは「うわさで言われている『サンシティがターゲット』とは完全に矛盾しており見当違いだ」と述べた。
同氏はサンシティグループが昨年の市民による暴動の際に香港の暴徒に資金援助をしたといううわさも、「極めてばかげており、理不尽だ。なぜ自分の国を危険にさらすのか?こんなことは極めてばかげている」としてはねのけた。
チャウ氏はまた、中国本土の当局が顧客情報を手に入れたとううわさ、そして同グループの「サンファイナンスアプリ」が破られた可能性があるといううわさも強く否定した。
同氏は、「当グループは、海外または中国本土から顧客情報の提供要請を一切受け取っていない。マカオで法に従い登録され、マカオ個人情報保護法によって規制されている法人として、サンシティグループはいかなる顧客情報も勝手に公開することを厳しく禁じられている。
うわさでは、当社のアプリがハッキングされた、または我々が顧客情報をリークしたと言われている。誰もが分かっていると思うが、アプリは単なるソフトウェアであり、そのシステムには一切顧客情報は保管されていない。当社のサーバーはマカオにある。サンシティは一切顧客情報を公開したことはない」と述べた。
チャウ氏の動画はここ2カ月で2度目のもので、同氏は、損害を与える可能性のあるうわさから同社を守ろうとしており、5月末には新型コロナウイルスの影響をめぐる懸念によって、サンシティVIPクラブの株主に対して、彼らが2020年2月から5月までの一切の損失の責任から免除されること、損失は同グループの独立準備金から補償されることを通知する書面を送っていた。