中国人民銀行の公示によると、国境を越えた賭博関連の金融取引チェーンが、中国の中央政府から与えられた「重要な政治ミッション」になるという。
通知によると、同銀行の範一飛(Fan Yifei)副総裁が、先週北京で会合を持ち、そこで、「越境賭博に関わる金融取引チェーン規制へのガバナンスの強化・補強」のための計画の概要を説明したという。
中国公安部、中華人民共和国海関総署、中国銀行監督管理委員会、中国国家外貨管理局、中国支払い清算協会、中国銀聯(ユニオンペイ)および网联(NetsUnion)清算有限公司の代表者が会合に参加した。
範副総裁は、同銀行の新たな指示の主な焦点の1つが、重大な金融リスクに対処するために越境賭博関連の資金を断ち切ることだ述べた。
範副総裁は、全ての金融機関に対して、「政治的立ち位置をさらに向上すること、防止と管理における責任感及び切迫感を強めること、『兩個維護(共産党中央委員会の中核である習主席を断固支持しながら中央委員会及び中央集権型指導体制を断固維持すること)』を実践すること、国家の全体的な安全保障構想をしっかりと確立し、真剣に実施すること、そして断固とした戦いとして越境賭博資本チェーンの断絶に取り組むこと」を促した。
副総裁は資本の流れの特定・追跡の強化を含む、実施に関する複数の方針も列挙した。中央銀行は、また、全ての金融セクターに、疑わしい大規模取引の報告書をより早く提出する能力を強化すること、マネーロンダリングを監視・分析すること、口座の身元確認にさらに注意を払うこと、そしてその他のリスク抑止・管理努力を実施することも求めた。
賭博目的の資本逃避に焦点を当てるという方針が新たにされたもかかわらず、JPモルガンのアナリスト、DS・キム氏、デレク・チョイ氏、ジェレミー・アン氏はレポートの中で、必ずしもマカオがターゲットであるわけではないと述べた。
アナリストたちは、「対象の具体的な範囲が何なのかを知るのは難しい。というのも『越境』賭博は、しばしば『違法賭博』を指しており、特に、フィリピンやカンボジアでのものなど、ジャンケットによるオンラインカジノ事業のことを言っていることが多い。
我々は、中国政府が最近、様々な地方に及ぶ一連の違法オンラインカジノの輪を断ち切ったことを指摘する。それによって、我々は今回の会合がそれら案件により関係あるものだったと考えるに至っている(対照的に、マカオ特別行政区では事実上カジノ営業は4カ月以上休業し、現在もまだその状況が続いている)。
簡単に言うと、今回の会合がマカオ、または『違法』カジノ営業に焦点を当てたものであるとは必ずしも考えておらず、ニュースは我々にとっては大きな出来事ではないようだ」と述べた。