カジノ閉鎖の打撃を緩和しつつ良好さを維持するクラウン・リゾーツ、だが配当はなし：フィッチ

　格付け会社のフィッチによれば、オーストラリアのカジノ事業者であるクラウン・リゾーツは、ゲーム事業の閉鎖を緩和できる立場にあるが、固定配当政策を一時的に放棄する必要があるかもしれない。

　コロナウイルスの蔓延拡大を阻止のため、メルボルンとパースにあるクラウン所有のカジノ施設を含むオーストラリアのカジノ閉鎖に関する木曜日のメモで、フィッチ・レーティングス氏は、2025会計年度の終わりまでクラウンには重要な債券の満期がないこと、そして今後6カ月で満期を迎える約束された信用枠で2億3,000万豪ドル（約150億1,410万円）を回復できるはずだと指摘した。

　「2019年12月31日のクラウン・リゾーツリミテッドの低い純負債と非常に変動性の高いコスト構造はオーストラリアのゲーミング事業者に政府によるカジノの閉鎖の影響を緩和するための余地を与える」と述べた。

　「フィッチは、非常に変動しやすいコスト構造の中で、同社は所有する資産から特に利益を受けつつ、この期間中の現金流出を大幅に削減できると考えている。（ビクトリア州政府との合意上、メルボルンの土地の賃貸料は最小限だ）

　これらの措置には、スタッフの一時解雇とその他の諸経費の削減、ゲーミング量に直接反映するゲーミング税の減収が含まれる場合がある。

　さらに、我々はクラウンが固定配当政策を掲げていたとしても、現金を保持し、そのバランスシートの強さを維持するために、配当の停止などの特別な措置を実施できると信じている」

　「クラウンは、操業停止期間中の運営費用を賄うための管理可能な契約リスクと対応可能な流動性を持っている」とフィッチは付け加えた。その一方で、国中のオーストラリア人労働者への隔週の支払いを含む政府の補助金を利用して、現金流出を減らすこともできるかもしれない。