マカオで最も差し迫っている問題は、カジノビジネスが通常のレベルに戻るのはいつになるのか？というものだ。 「通常」を3カ月間のGGRが2019年の同期間と一致、またはそれを上回ると定義して、大半のアナリストたちが第3四半期または第4四半期には回復するという楽観的な予想を出している。私は、以下の理由から古き良き時代に戻れるのは2021年第2四半期だと予想する。
新型コロナウィルスが突如、中国国外に拡大したことによって、我々は世界中の経済を破壊するパンデミックの開始地点に立たされている。マイクロソフトやAppleのような優良企業は、米国内で新型ウィルスが広がる前に、すでにサプライチェーンの問題から減益を警告していた、。11年の経済成長は今年、終わりを迎える可能性が高く、中国の不況と合わさって、世界的不況を引き起こすだろう。
中国政府は、主要な工業および金融セクターを再活性化するたの積極的な金融刺激策を打ち出す予定をしており、これが同時にマカオの多くのプレミアム、およびVIPプレイヤーの資金を生み出すことになる。政府は、これらのプレイヤーが、景気回復に取り組む代わりに、(多くが外国人所有の)カジノで時間と金を費やすことを好意的に見ないだろう。
中国製品への需要の低下は工場での解雇につながる可能性もあり、マスセグメントの消費力や意欲も損なわせる。
マカオが古き良き時代に戻るためには、これら4つの因子が必要だ。1つ目が、輸送手段の復活(中央政府は賛成するだろう)、2つ目がビザの発給(政府が意図的に遅らせる可能性がある)、3つ目がプレイヤー心理が前向きに変化(不況時は難しい)、そして最後に資金へのアクセス(政府による地下銀行やUnion Payへの取り締まりの強化)だ。
世界中の、特に中国の経済が、さらに長期間、不安定な状態を経験することが予想されている。需要とプレイヤー心理に依存するカジノは、間違いなく次の回復まで影響を受けることになるだろう。
