マカオ特別行政区政府による15日間のカジノ閉鎖という決定によって、2月のゲーミング粗収益(GGR)が前年比でおよそ75%の大幅減となり、2020年全体のGGRを6%引き下げることになる可能性が高い。
前例のない一時営業停止の影響はまだ予想が難しいものの、JPモルガンのDS・キム氏、デレク・チョイ氏そしてジェレミー・アン氏によると、早期予想は当然のことながら、絶望的な展望を描いており、アナリストたちは火曜のレポートの中でこのように述べた。カジノは「売上型ビジネス」であり、「そのような売上の極端な減少を軽くするために事業者たちができることはあまりない。2月のGGRは、およそ75%減少して7億米ドル(当初の予想は25億米ドル)にまで落ち込む事が予想されており、その次に年間GGRが6%程度下がることになるだろう。営業レバレッジがマイナスになることを考えると、我々の分析は、2月のGGRの75%減が、年間EBITDAを10%程度下げるということを示している」
JPモルガンは、この地場産業は2月、新型ウィルス発生前に予想されていた7億ドル(約763.66億円)という利益よりもおよそ10億米ドルも少なくない3億米ドルのEBITDA損失を出す見込みだと付け加えた。
投資顧問会社のバーンスタインは火曜、政府がカジノ閉鎖の全容を発表する前にレポートを出し、同様の絶望的なシナリオを予想していた。
アナリストのヴィタリー・ウマンスキー氏、ユーニス・リー氏そしてケルシー・ヂゥー氏は、「一時営業停止の内容がどんなものであろうと、第1四半期は明らかに酷い結果を示すだろう。2週間のみの営業停止後、2月下旬と3月に一部の簡単なビジネスが再開すると仮定すると、第1四半期のGGRは前年比50%の減少となるかもしれない。カジノが第1四半期の残りの期間ずっと営業停止のままとなれば、GGRは前年比で70%以上の減少となるだろう。第1四半期と上半期の予想はこの時点では単なる推測にすぎない」と述べた。
しかしながらバーンスタインは、マカオカジノの事業者たちが、全面営業の再開で急速な回復を見せるとも述べている。
アナリストたちは「この新型ウィルス流行がどれくらい悪性で、どれくらい大きな被害をもたらす可能性があるのかについては様々な見方がある(今のところ、感染力はSARSよりもはるかに強いが、致死率は大幅に低い)。この段階では、我々はマカオが下半期に堅調な回復を見せると予想しており、回復は(1)感染が制御できる状態になりマカオへの旅行が再開する、そして(2)中国経済が大きく悪化せず、顧客の信頼感を下げないことにかかっている。後者は、経済が悪化するとなった場合の政府による強い刺激策によって和らげられる可能性が高いだろう」と述べた。