カジノ管理委員会が発足　IR事業者を管理監督

　日本政府は7日、IR運営事業者を管理・監督する「カジノ管理委員会」を内閣府の外局として設置した。日本経済新聞などが伝えた。カジノ運営に必要な免許を事業者に付与するほか、ギャンブル依存症やマネーロンダリングなどの対策も担う。IR事業を巡る汚職事件の捜査が進んでいる中、政府はIRの整備を予定通り進める方針だ。

　カジノ管理委は委員長と委員4人から成り、委員長には元福岡高検検事長の北村道夫氏が就任した。委員には元名古屋国税局長の氏兼裕之氏、精神科医の渡路子氏らが就き、管理委は10日にも初会合を開く。

　公正取引委員会、国家公安委員会などと同様に、独立した強い権限を持つ。カジノ事業の免許を付与するほか、取り消しの権限もある。背面調査し事業者と暴力団を含む反社会的勢力との関わりや役員の犯罪歴、海外に持つ口座などを調べる。

　政府は管理委の意見も踏まえ、施設の要件を定めた基本方針を1月中にも策定する。2021年1～7月に地方自治体と事業者による誘致の申請を受け付け、最大3カ所の整備地域を決める。開業は20年代半ばを見込んでおり、現在は横浜市、大阪府市、和歌山県、長崎県が誘致を表明しており、北海道、千葉県は断念した。

　汚職に揺れる中、IRを担当する武田良太行政改革相は「国民の信頼をしっかりと集められる公正公平で独立性を確保した組織として運営してほしい」と述べた。