シンガポール高等裁判所は、グローバル・ゲーミング・アセット・マネジメント(GGAM)・フィリピンとの経営委託契約の解除が不当であるとする2016年の仲裁裁判所による事実認定の無効を求め、異議を申し立てるブルームベリー・リゾーツの子会社、スレステ・プロパティーズ(SPI)とブルームベリー・リゾーツ&ホテルズ(BRHI)からの訴えを棄却した。
正式には仲裁裁判所の部分仲裁判断(Partial Award of the Arbitration Tribunal)と呼ばれる当初の認定は、2011年に初めて署名された契約が、マニラのソレアリゾート&カジノが2013年3月にオープンした後たった6カ月後に解除されたことに関係している。
契約の条件の下で、ラスベガスを拠点にするウィリアム・ワイドナー氏のカジノ投資会社の現地部門であるGGAMには、ソレアの設計、計画、レイアウトおよび建設に関連する技術的なサービス、そして従業員の募集に関連するサービスの提供に対して月額17万5000米ドル(約1,892億8,700万円)が支払われていた。
しかしながら、ブルームベリーは、GGAMフィリピンが契約の条件に沿ったサービスを提供できていない、具体的には、ハイローラーを施設へと連れてくるという約束を果たせていないとして、2013年にその関係を解消した。また、カジノの設計とレイアウトに関する懸念も挙げた。
シンガポールの裁判所がその後、契約解除は不当だと認定した(手続きの中でGGAMが持つブルームベリーの921,184,056株の所有と売却権を認める)後、フィリピンでIRを運営するブルームベリーは、ウェイドナー氏を含む幹部2人が米当局から米国海外腐敗行為防止法(FCPA)違反の捜査を受けている間にソレアの運営契約に署名することによる「GGAMの詐欺的隠蔽および不当表示」を訴えて部分仲裁判断の無効を求める申し立てを提出した。ワイドナー氏は、ラスベガスサンズの会長兼CEOであるシェルドン・アデルソン氏と意見が食い違ってから2009年にたもとを分かつまで、同社の社長兼COOを務めていた。
月曜の報告書の中でブルームベリーは、FCPAの捜査が、GGAMに対してSPIとBRHIが訴えた「いかなる種類の詐欺行為の強力かつ有力な証拠とはならない」とする裁判所の判決によって無効の申し立ては棄却されたと述べた。同社は、2020年2月3日までシンガポールの上級裁判所に上訴することができる。
この直近の判決の前には、シンガポールの仲裁裁判所が、関連する最終判断(Final Award)の一環としてブルームベリーに、総額2.96億米ドルの損害賠償をGGAM側に支払うことを命じていた。ブルームベリーはその最終判断はフィリピンの裁判所によって認められない限りは法的強制力を持たないと述べているものの、判断の無効を求め、異議を申し立てる訴えも起こしている。