北海道、鈴木直道知事が「今回のIR誘致を見送る」としてから約半月。知事の「きたるべき時に挑戦できるよう、所要の準備をしっかりと進めていく」との含みを残した発言を受け、業界関係者は新たな方針の決断を迫られている。
北海道IRに手を挙げていた「ハードロック・ジャパン」(本社:東京都港区)もその1社である。
「ハードロック・ジャパン」は世界70カ国以上にて200以上の施設を展開する「ハードロック・インターナショナル」(本社:フロリダ州、オーランド、会長:ジム・アレン氏)の日本法人。
今回、IAG Japanに「ハードロック・ジャパン」代表取締役社長のアド・マチダ氏が思いを語ってくれた。
今回の知事の決断に関して同氏は「我々は『北海道オンリー』で今までやってきた。苫小牧に事務所も設立して誘致活動を続けている。IRには50億ドル(約5,500億円)を投じる考えで、雇用に関しても1.5万〜2.1万人が見込まれていた。(今回の知事の決断は)『何故だろう。もったいない』と思うところもある」と語る。IRは北海道が危惧している人口減少・少子高齢化、税収減少などを打破する起爆剤として期待されていた。
「北海道は本当に素晴らしい食文化や自然や開拓精神というものがある。とても良い場所だ。それらを(IRに)融合していきたいと思っている」「道が実施した3手法でのアンケートでも、地域説明会でのアンケートでは『期待する』と答えた方は70%近くにも及んだ。IRとはどのようなものかをきちんと説明すれば受け入れて貰えると信じている。そのような説明の機会であった『北海道統合型リゾート産業展』も中止になってしまい、知事と話をすることも出来ないままとなってしまっている」と、同氏は悔しさをにじませた。
しかし、同氏はこのままでは終われないと言う。「北海道へのIR誘致活動は今後も継続して全力を尽くそうと思っている。もちろん、プロサッカークラブの『北海道コンサドーレ札幌』とのオフィシャルトップパートナー契約や、『さっぽろ雪まつり』への協賛は続けていくつもりだ」と語るその声には、まだまだやる気が満ち溢れていた。