11月に行われたスービックベイ・ヨットクラブ内の新ブティックカジノの開業によって、フィリピンのハイエンドゲーミングおよびレジャー市場に魅力的な水辺の選択肢が加わった。
フィリピンの海岸沿いにあるクラーク自由港区から車でわずか45分の場所に位置するスービックベイは、マニラに住む人にとっては週末のお出かけに人気のスポットであり、フィリピンの富裕層や有名人にとっては第2の家のような場所として親しまれているのどかな水辺の保養地だ。
また、名門のスービックベイ・ヨットクラブ内という、国内ではほぼ間違いなく最もユニークなカジノが位置する場所でもある。今年の11月11日にひっそりとオープンし、12月1日付で全面営業が開始予定のこのカジノは、ヨットクラブの中、または直接的な関係で作られたカジノとしてはオーストラリアはタスマニアのホバートに続いて2番目となる。
モンテカルロと呼ばれる小さな地区について忘れていると指摘しかけたタイミングで、同カジノのパートナー企業の1社であるボラ ーレ・グランデッツァのマニュエル・アントニオ・セケイラCEO兼社長から確かに「モンテカルロの場合は道を隔てており、政府が所有している。そしてそれらは2つの異なる会社であり、ヨットクラブの中にあるものではない」と伝えられた。
このブティックカジノは2019年に22周年を迎えたスービックベイ・ヨットクラブに新たに追加されたものだ。ボラーレ・グランデッツァとフロンティア・ウィッシュ・インターナショナルとの合弁事業であるこのカジノの構想が生まれたのは4年前のことで、収益率の高い顧客ベースをフルに生かすことを狙いにした5億比ペソ(約10億8,000万円)の投資によって、人が集まり始めている。
セケイラ氏は、「ボート界においてスービックは安全な逃避先で、スービック湾をベースとして使うために毎週、毎月巨大なヨットがやってくる。
200メートルを超えるロシアの巨大ヨットから、小さなもので3,800人、大きなものでは5,200人のゲストを乗せる中国の巨大船まで多種多様な船が入ってくる。これは非常に大きなマーケットだ。
そのため、このヨットクラブはカジノを開くにはぴったりの場所だと思った。私たちは自分たちをブティックカジノそのものだと位置づけている」と話す。
スービック湾を望む素晴らしい景色が自慢のこのヨットクラブのカジノでは現在43台のゲーミングテーブルと169台のスロットマシンが稼働しており、2020年1月には内部のジャンケット営業が開始予定で、アジア全土の国際ジャンケット事業者もその後に控えている。プロキシー・ベッティングを行うための施設もすでに準備が整っている。
クラーク同様、スービック湾は自由港区であり、このエリアに新ビジネスを呼び込むことを狙いにした特定の税制優遇制度を活用することができる。クラークと異なる点は、(念のために近くに世界レベルのゴルフコースが3つあるものの)韓国人が必ずしもその主要なターゲット市場ではないことだ。
セケイラ氏は「ボートやヨットを楽しむ人口が増加するアジア市場がここに人を運んでくれる」と述べ、スービックベイはハイエンドの体験的なサービスを提供することに徹していると付け加える。
「ここでの釣りは素晴らしく、ボートでたった20分間出るだけで、陸路ではたどり着けない2kmに伸びる人気のない手つかずのビーチと透明なきれいな水をもつ入り江がある。他の誰にも真似できない我々だけが作り出せるものだ」と話す。
セケイラ氏はまた、スービックベイがマニラの新高速道路の完成から恩恵を受けることを確信しており、大幅に移動時間が削減できると予想されている。コンピューターによるシミュレーションでは、エンターテインメント・シティにあるソレアリゾート&カジノからかかる時間は制限速度でたった90分に短縮されると言い、「非常に大きな意味でマニラから当施設へのアクセスを開いてくれる。
スービックは非常に、非常に早いペースで成長する。私たちはそれを見越している。不可能なことに予算を計上しようとしているわけではなく、この市場について学んでいる。しかし当社の顧客層が、ここに置かれたこのカジノの重要性をすでに示してくれている」と語った。