アジアでの中国によるオンラインゲーミングとの戦いで、この経済大国が間もなく欧州に同様の圧力をかけることになる可能性がある。それにより同大陸で成長するiGaming産業の伸びが抑制される可能性がある。
戦略コンサルティング会社、レグルスパートナーズ(Regulus Partners)でパートナーを務めるポール・レイランド氏が、火曜にマルタで行われたKPMG・ゲーミング・eサミットでの基調講演の中でこの潜在的脅威を警告した。eサミットは今週水曜から金曜まで開催される有名なiGaming展示会、SiGMAに関係している。
規制上の障害と政治介入に妨害された厳しい2019年の後の2020年、世界のオンラインゲーミングがどうなるかを話し合う中で、レイランド氏は、今後12カ月間のiGaming事業者にとっての注目のワイルドカードとして中国の名前を挙げた。
同氏は、「地政学的観点から我々が目撃するであろうことの1つ、そしてすでにそのノイズが聞こえてきているのが、中国は本当にオンラインゲーミングを好いていないということだ。
中国は、ここしばらくの間、ギャンブル、自国の規制されたギャンブルでさえも好んでおらず、我々はアジア全土で中国が数多くの規制されていないランドベースギャンブル営業を阻んできたことによってそれを認識させられた。中国によって何千人もの人が逮捕され何億ドルもの金が押収された。オンライン業界は、どちらかというと中国のこの動きに気を配ってこなかった。それは中国が、我々が焦点を当てているオンライン環境を妨害していないからだ。
しかし、アジア市場ではランドベースの支払い端末からオンラインでの直接支払いへと大きくチャンネルが移行しているのが見られている。中国政府は、それに気が付き、それを良しとせず、すでにフィリピンに大きな圧力をかけている。
これは中国がだいたい世界で行使できるレベルの圧力であり、オンラインギャンブルと中国とどちらを選ぶかという質問を世界中のどの政治家にしたとしても、その選択は非常に簡単だろう。
だから、我々は中国周辺の地政学的緊張がふつふつと高まり続け、この業界にとって非常に興味深い意味合いを持つようになるだろうと考えている。そして我々はまだそれについてじっくり考えることができていない」
カンボジアのフンセン首相は8月、中国からの圧力に直接関係していると思われる動きの中で、オンラインギャンブルライセンスの発行を停止し、既存ライセンスの期限が切れれば更新しないことを発表した。
中国は、成長するフィリピン・オフショア・ゲーミング・オペレーターズ(POGO)業界に関しても同様の決定を強く求めている。だがしかしフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領はカンボジアと違って、中国からの要請を拒否している。