業界の専門家によると、マカオの新行政長官、 賀一誠(Ho Iat-seng)氏の経歴は、この街のカジノ事業者にとって関係拡大の機会として歓迎されることになる。
立法会(議会)議長を務めた62歳の賀一誠氏は日曜、定数400の選挙委員会によってマカオの次期行政長官に正式に選ばれ、12月20日の就任をもって5年間の任期をスタートさせる。
賀氏は、崔世安(フェルナンド・ツイ)氏の後任となる唯一の候補者であったために結果は形式的なものではあるものの、全社のカジノライセンスが2022年に期限切れを迎えるコンセッション保有6社にとっては明るいニュースであるに違いない。
マカオ大学の国際統合型リゾート管理学のグレン・マッカートニー准教授はこのように説明した。「彼の経歴によって、プライベートセクター、特に日々こなさなければならない事業及び業務上の課題をもつ統合型リゾートとの関係強化に有利にはたらく可能性がある。
この関係強化の可能性があると考えている。行政とIR業界の公平な協力の拡大は確実に利益となるだろう。そしてそれは長年私が推奨してきたことだ。お互いの話をもっとよく聞き、話し合い、相談することで、今後の方針にはより多くのバイインがある」
賀氏のビジネスの専門知識は、家族が経営する賀田工業有限公司(Ho Tin Industries)で培われたものだ。同社は照明及び電子機器メーカーとして設立され、同氏は常務取締役を務めていた。
また、賀氏は政治面でも全ての基準を満たしている人物としても見られており、マカオで生まれ、中国大陸で学んだ後に全国人民代表大会常務委員会の委員を務めた。
マッカートニー氏によると、そのように、賀氏には中国政府からの信頼があり、政府が推し進めるマカオの多様性の拡大を継続するだけでなく、マカオの観光とカジノ開発に根強く残る「昔からの課題に新鮮な視点とアプローチをもたらすことができる。
一部の人は賀氏のビジネスにおける経歴はプロセスよりもむしろ結果への焦点を意味するだろうと話している。これは確実に観光とコタイストリップの開発にとってアドバンテージになるだろう」
事業者が不安の中カジノライセンスの再入札の詳細を待っていることで、その点での賀氏の資質はほぼすぐに試されることになるだろう。
マッカートニー氏は、「再入札へのカギは安定だろう。プロセスが最も混乱の少ない形で実施・管理されることを確実にすることだ。これらはマカオであれ北京であれ政府機関、そしてビジネスコミュニティとマカオのコミュニティが期待するところだろう。再入札プロセスとその先に考慮すべき要因が複数ある。カジノは営業を継続する必要があり、再入札はさらなる多様化に向けた風潮を示す政策と方向性を一体化するための貴重な機会を提供する」と述べた。