カンボジア最大のカジノを運営するナガコープが、オンラインゲーミングライセンスを発行しないようにする首相の指示を歓迎している。
フン・セン首相は先週衝撃的な命令を出し、政府がオンラインゲーミングライセンスの新規発行を停止し、既存のライセンスについては期限切れになっても更新しないことを明かした。
カンボジアでのライセンス期間は1年となっており、これは2020年8月から先、事実上全てのオンラインギャンブル事業者が完全に非合法化されることを意味する。
カンボジアのシアヌークビルでは、ライブディーラー/オンライン営業を実店舗の従来型カジノで行わなければならないということが主要なライセンス要件となっているために、オンラインゲーミングが近年の新規カジノ開発急増を後押ししてきた。そのためにこのニュースは間違いなくこの土地の現状を揺るがすことになるだろう。
しかしナガコープにとってはそうでもなく、同社のティム・マクナリー会長はこの指令は、カンボジアでの規制されたゲーミング営業に向けた前向きな一歩であると説明している。
マクナリー会長はInside Asian Gamingに対して、「我々は少し前に、シアヌークビルにはコンプライアンスおよび規制上の弱点があると気が付いており、政府が規制環境の改善に介入し、現地の犯罪問題に対処することをうれしく思う」と語った。
プノンペンにある統合型リゾート、ナガワールドを独占ライセンスの下で運営し、大成功を収めるナガコープは、オンラインゲーミング営業でもライセンスを付与されているが、マクナリー会長は、コンプライアンスと規制上の懸念によって長い間関わらないようにしてきたと述べた。
会長は、「プノンペン中心部や商業エリアでの独占権によって、未だに国内の他の事業者よりも有利な立ち位置を維持していると考えている」とその決定について説明し、ナガコープは、シアヌークビル、ポイペトまたはバベットにあるあまり評判がいいとは言えない他の事業者と比べて、伝統的に「自主規制と効果的なコンプライアンス」を重視するようにしてきたと述べた。
「これは当社事業の成功にむけた堅実的なアプローチであることが明らかになっている。カンボジア内での成功を目指す事業者は、コーポレート・ガバナンス分野の改善を優先すべきだ」
カンボジア経済財政省金融部長のメイ・ヴァン氏は最近、これまでに200のゲーミングライセンスが発行され、他に30が保留中であることを明かした。全てが現在実際に使用されているわけではないものの、グローバル・マーケット・アドバイザーズのシニアパートナー、アンドリュー・クレバナウ氏は、カンボジアで現在営業しているカジノの数を100程度としている。