東南アジアでカジノを運営するドナコ・インターナショナルは、カンボジアにあるドナコのスターベガスカジノの土地リース契約をめぐる問題で、仲裁人が元タイベンダーに有利な決定を下したことを受けて、立て続けに控訴する予定をしている。
ドナコは2015年6月にベンダーが100%所有するリー・ホー・プロパティ(Lee Hoe Property Co.)との間で50年間のリース契約を交わしており、今回の問題はベンダーのリー・バグ・レン(Lee Bug Leng)氏、リー・バグ・フイ(Lee Bug Huy)氏、そしてリー・バグ・トン(Lee Bug Tong)氏がその契約にある競合禁止条項に違反したとする申し立てに関係している。
ベンダーには元々、ドナコが毎月運営費500万バーツ(約1,730万円)を支払う契約で隣接する建物にあるゲーミング施設を運営する許可が与えられていた。しかしその契約は2017年に期限が切れ、新たな運営契約は結ばれなかった。ドナコが競合禁止条項を無視したゲーミング営業の継続に異議を唱えた際、ベンダーはドナコのスターベガスの土地リース解約を解除すると脅した。
木曜の報告書の中でドナコが明かした通り、リース契約を終了するというベンダー側の主張は、2017年11月から賃料が支払われていないという事実を中心に展開した。しかしながら、ドナコは賃貸人(リー・ホー・プロパティ)には賃料支払い用の銀行口座を用意する義務があるというリース契約の規定を指摘した。
ドナコは報告書の中で以下のように述べている。「これが用意されることはなかった。代わりに、2015年7月から2017年11月まで、リー・ホー・プロパティはDNAスターベガスの施設に担当者を送り、現金で賃料を回収していた。2017年12月、リー・ホー・プロパティは現金での賃料回収を停止した。その結果、DNAスターベガスは物理的に賃料を支払う方法がなくなった。銀行口座は用意されず、そしてドナコの担当者は競合するスターパラダイス/ウィンザーカジノの中に位置するリー・ホー・プロパティのオフィスへのアクセスを禁止された」
ドナコはまた、リース契約の解除を禁止し、スターベガスの賃料を裁判所に直接支払う選択肢を与えるバンテイメンチェイ第一審裁判所からの予備的差止命令にも言及した。
ドナコは、「これはそれ以来行われている。しかしリー・ホー・プロパティは賃料を回収していない」と述べた。
それにもかかわらず、仲裁人は今週、リー・ホー・プロパティにはこれらの状況においてリース契約を解除する資格があるという裁定を下し、いずれの当事者からの損害または費用の請求も却下した。
それに応じて、ドナコはすでに、仲裁手続きの「特定の手続き的側面」に対してプノンペンの控訴裁判所に控訴しており、裁定自体に対してもさらなる控訴を行う予定をしている。
上訴の理由には、登録された永借権は賃料が3年間支払われなかった場合にのみ解除が認められると定めるカンボジア民放250条が含まれている。
「ドナコの見方では、この民法の条項は土地保有権保護の増進、そしてカンボジア王国への投資促進を目的に作られている。しかしながら、仲裁人は同法のこの条項よりも当事者間の契約が優先されるという裁定を下した。これは控訴理由の1つになるだろう」
ドナコは仲裁裁定自体は直接執行できず、裁判所への登録を行う必要があり、裁判所は裁定を無効にすることができると述べた。また、控訴が行われている間は執行することはできない。
リース契約が実際に解除された場合には、ドナコはリース契約の条件の下で全ての建物、備品そして他の資産の所有権を保持し、賃借人はそれについて完全に補償しなければならない。ドナコによると、それら資産の現在の評価額は3,300万米ドルになる。