アナリストによると、クラウンリゾーツの新株主であるメルコリゾーツ&エンターテインメントと特にその会長兼CEOのローレンス・ホー氏へのオーストラリア当局による誠実性調査に一年以上かかる可能性があるという。
ホー氏は、クラウンの筆頭株主で、メルコの元パートナーであるジェームス・パッカー氏の非公開持ち株会社から、豪カジノ事業者であるクラウンの19.99%の株式を見事に取得した。この取得が、すでにローレンス・ホー氏と同氏の高齢の父親、スタンレー・ホー氏の間のビジネス上のつながりの可能性を詳しく調査する予定であった現地当局の関心に火をつけていた。
特に重要なのは、クラウンリゾーツとニュー・サウス・ウェールズ州(NSW)カジノ、アルコール及びゲーミング統制局間で交わされた2014年の契約で、この契約は具体的にマカオカジノ王として広く知られるスタンレー・ホー氏との一切の関わりを禁止している。
クラウンの施設があるNSW、ビクトリア州、そして西オーストラリア州の3つの州で行われる予定の当局による調査について、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのアナリスト、メリンダ・ボクスター氏は、「我々の見方では、当局の承認を取り付けるまでに最長1年(またはそれ以上)かかる可能性がある」と述べた。
クラウンとの2014年の契約を監督したNSW当局のクリス・シドッティ局長は、週末にオーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー紙のインタビューの中で、ホー氏への新しい誠実性調査が重要である一方で、同様の調査が実施された前回にはメルコのトップである同氏と97歳の父親との間につながりは見られなかったと述べた。クラウンリゾーツは、バランガルーで22億豪ドル(約1,651億円)をかけたクラウンシドニーの開発へのゴーサインが出た際には、まだマカオでメルコとのパートナー関係を続けていた。
ローレンス・ホー氏は金曜、オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー紙に対して、「クラウンも私も常に、私の事業取引は父の利害からは独立したものであると強調してきた。クラウンとはすでに12年間にわたる提携関係があり、問題なく当局からの誠実性調査を通過してきた」と語った。
メルコリゾーツは先週、二席取得の可能性を視野に入れて、クラウン取締役会での代表権を求めると明かしていた。