メルコリゾーツ&エンターテインメントは、2021年3月31日までの3カ月間の純損失を2億3,290万米ドル(約253億円)と発表。前年同期の3億6,400万米ドル(約395億円)の損失からは改善したものの、新型コロナウイルス感染拡大による影響が続いているため、20年第4四半期の1億9,970万米ドル(約217億円)の損失から拡大している。
メルコはコスト削減により、2月にマカオの全カジノを15日間閉鎖した第1四半期と比較して赤字幅を縮小したが、事業収益は前年同期比36%減の5億2,000万米ドル(約565億円)にとどまり、20年第4四半期と比較して2%減となった。
調整後のEBITDAは3,010万米ドル(約32億7,000万円)で、前年同期比60%減、第4四半期比44%減となった。
しかし、メルコは、グループ全体の業績が前四半期比で低下したのは、マカオのスタジオシティ、シティー オブ ドリームス マニラ、キプロスの事業に全面的に起因するものだと述べ、旗艦施設であるシティー オブ ドリームス マカオの調整後のEBITDAが4,000万米ドル(約43億4,000万円)であったのに対し、マイナスのEBITDAを記録している。
「新型コロナウイルスとそれに伴う渡航規制は、当社の事業および財務状況に引き続き大きな悪影響を及ぼしている」と、会長兼CEOのローレンス・ホー氏は述べている。
「試練続きであるにもかかわらず、当社の統合型リゾートは第1四半期に、ビジネスレベルが緩やかに回復した」。
「当社は、マカオ政府の入国規制緩和に対する慎重なアプローチと、経済活性化や地元の雇用支援のためのスキームを評価している。これを受け、当社は引き続き、従業員とお客様の安全を守るための感染予防対策を優先するとともに、提携する中小企業と協力して、マカオの持続可能な発展と経済回復に貢献していく」。
シティー オブ ドリームス マカオは、メルコの第1四半期の収益の大部分を占め、ローリングチップ部門の減少により3億250万米ドル(約329億円)と、20年第1四半期の4億6,760万米ドル(約508億円)から、また第4四半期の3億2,120万米ドル(約349億円)から減少した。
ローリングチップの売上高は、前年同期比52%減の41億3,000万米ドル(約4,480億円)となった一方、マス市場のテーブルゲームの売上高は、28%増の7億3,000万米ドル(約793億円)となった。
スタジオシティは、売上高が28%減の9,790万米ドル(約106億円)で、調整後のEBITDAは520万米ドル(約5億6,500万円)の損失。アルティラ・マカオは、売上高が73%減の1,430万米ドル(約15億5,000万円)で、調整後のEBITDAは2,960万米ドル(約32億1,000万円)の損失となった。シティー オブ ドリームス マニラも、売上高が28%減の7,950万米ドル(約86億3,000万円)で、調整後のEBITDAは2,940万米ドル(約31億9,000万円)と、20年第1四半期の調整後のEBITDA2,960万米ドル(約32億1,000万円)と比較して横ばいとなった。