菅内閣スタート、再任8人　IR誘致にマイナスになることはなさそう

　日本の衆参両議院は16日、本会議で総理大臣指名選挙を行い、自由民主党の菅義偉総裁（71）を第99代総理大臣に指名した。有効投票462票のうち、314票を獲得。立憲民主党の枝野幸男氏が134票、日本維新の会の片山虎之助氏が11票で続いた。首相の交代は8年ぶり。

　新内閣の陣容は厚生労働相から横滑りした加藤勝信官房長官から発表され、再任8人、初入閣5人という安定志向と安倍路線の継承を印象づけた。

　iagが注目したのは何より、菅義偉首相は自民党出身者では異例ともいえる無派閥・非世襲という点。官房長官時代から観光、IR事業に対して推進派とみられおり、コロナ禍で大幅な進展は考えづらいが、現時点からの後退も考えづらい。

　その菅氏は行政改革、規制改革にも力を入れ、新たに設置したデジタル改革相に平井卓也氏（62）を起用。コロナ禍は行政のデジタル化遅れを浮き彫りにしており、IT通に改革を託した。また2025年の大阪・関西万博に向け、期限付きとはいえ、国土交通省での官僚経験を持つ井上信治万博相（50）を抜てきし、専任させる。

　再任された8人の閣僚の中、IRの窓口となる国土交通相は引き続き公明党出身の赤羽一嘉氏（62）が担う。党運営を切り盛りする幹事長には実力者の二階俊博氏が続投。IRを誘致する和歌山を地盤としており、この人事にも注目したい。