アジアでクルーズ船を運航するゲンティン香港は、新型コロナウイルスによってもたらされた財政難が拡大したことによる全返済の停止後、債権者たちは債務再編の努力に協力的だと説明した。
同社は先週月曜、現在のグループの運営と財務状況、そして債務再編と借り換えの選択肢に関する詳しい情報を提供するつもりだと述べていたバーチャル会議で債権者と顔を合わせた。
金曜、7億4,260万米ドル（約782億3,370万円）の連結純損失に転落した20年上半期決算を公開した後で最新の状況について説明したゲンティン香港は、戦略的諮問グループであるPJTパートナーズと法律事務所リンクレーターズと契約したことを明かし、「金融債権者たちと協力して、貸し主とっての価値を最大限保持し、同時に新型コロナウイルスが抑制可能な状態になった時にグループの成長能力を回復させることができる、合意の基での支払い可能な再編ソリューションを実施していく」と述べた。
先週の債権者たちとの会議の結果に関してはほとんど情報を明かさなかった一方で、同社は、その金融債権者たちが「非常に協力的であり、当グループと長い付き合いの多数の金融債権者が臨時グループに参加し、当グループに手を差し伸べることに合意してくれた」と付け加えた。
ゲンティン香港はこれまでに他の資金調達オプションを調査していたが、潜在的な機会の評価にはさらに時間がかかると述べた。
同社は、ドリームクルーズ、クリスタルクルーズそしてスタークルーズの3つのクルーズラインを運航し、ドイツでは造船事業を行う。またフィリピンの統合型リゾート、リゾートワールド・マニラの合弁パートナーでもある。
新型コロナウイルスの世界的流行が始まってから大半のクルーズ船運航が停止していることで、ゲンティン香港は20年上半期に7億4,260万米ドルの純損失、そして2億410万米ドルのEBITDA損失を計上した。19年同期は純損失が5,650万米ドル、EBITDAは7,690万米ドルだった。3月15日から一般向けの営業を停止しているリゾートワールド・マニラでの損失分は3,740万米ドルで、グループ全体の収益は69.0％減の2億2,620万米ドルだった。
同社は、純負債額は2019年12月31日に21億4,000万米ドルだったのに対して、2020年6月30日時点では28億6,000万米ドルだったと述べた。
