大阪府・市が誘致を目指すIR(カジノを含む統合型リゾート施設)を巡り、自民党大阪市議団は、多額の経費がかかることなどを理由に、市民にIR誘致の是非を問うべきだとして、住民投票を実施するための条例案を2月議会に提出する方針を決めた。
しかし、市議会第1党である大阪維新の会は住民投票に否定的。今月1日には公明党市議団も条例案に反対の意向を示しており、条例案は否決される見通しだ。
大阪府・市が誘致を目指すIRをめぐっては、昨年12月、用地の土壌汚染や液状化の対策などにかかる費用として790億円を市が負担する方針を決めている。
自民党大阪市議団は、巨額の費用を市が負担することについて、市民に是非を問うべきだとして、住民投票を実施するための条例案を今月から始まる定例市議会に提出する方針を示していた。
NHKの報道によると、2日に開かれた大阪市議会の特別委員会では、自民党の北野妙子幹事長が「IRの予定地以外にも夢洲の開発を進めた場合、土壌改良などに必要な経費がいくらかかるのか」とただしたところ、市の担当者は「IR予定地に加えて、南側に隣接する土地を市が目指す国際観光拠点として整備した場合、土壌改良や液状化対策費として、これまでの790億円を含め、合わせて1578億円かかる」という暫定的な試算を明らかにしたという。
大阪IRは初期投資額が約1兆800億円とされており、そのうち約5300億円を設置・運営事業者に選ばれた米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスを中心としたコンソーシアムによる出資でまかない、残りの約5500億円を融資で調達する予定。
コンソーシアムには関西電力やパナソニック、近鉄グループホールディングス、NTT西日本などが参加している。
大阪府・市は3月ごろまでに両議会で区域整備計画の同意を取り付け、4月28日までに国に認定の申請をする予定。