マカオのジャンケット業界を代表するアルヴィン・チャウ氏が、サンシティグループ(HK:1383)とその子会社で株式の過半数を所有するサミット・アセント・ホールディングスの会長兼執行役員を正式に辞任したことを、両社が突如発表した。
同一の香港証券取引所への報告書の中で、両社は、チャウ氏から「取締役会会長および執行役員の職を辞意」を伝える手紙を受け取ったと述べた。この辞任の効力が発生するのは、(同氏に対する係属中の法的手続きを考慮し)同社が利益の最大化を図り、また彼自身が抱える個人的な問題により多くの時間を割くことができるようにという理由から、2021年12月1日からとなる。 次期会長を誰が務めるかについてはまだ決定していない。
同氏は先月27日(土)にマカオ当局によって逮捕され、29日(月)に犯罪組織、違法賭博、マネーロンダリングの容疑で裁判を待つためにコロアン刑務所に移送された。より具体的には、同氏が中国本土の顧客向けにプロキシー・ベッティング(代理賭博)サービスを提供するオンライン賭博プラットフォームをフィリピンに構築し、そしてマカオに拠点を置く企業の保有口座に売上金を流していたと検察院は主張している。
マカオで同氏が27日(土)に逮捕される前日、マカオ当局によって行われた調査とは無関係であるとし、中国の温州市公安局は独自でサンシティの社長への逮捕状を発行し、同氏がサンシティ・ゲーミング・プロモーション・カンパニー(SCGPCL)を代表して越境賭博事業を運営し「中国でカジノを開設した」と告発していた。SCGPCLは、同グループのジャンケットルームを運営するチャウ氏所有の企業である。
Inside Asian Gamingは先月30日(火)、サンシティが2021年12月1日の午前0時にすべてのマカオVIPクラブを閉鎖するというニュースを掲載した。同グループは1日(水)の同提出書類の中で、SCGPCLがホテルの宿泊商品を同グループに供給ができなくなるとの通知を受けたため、「同グループは当面、旅行および関連事業分野の運営を停止した」と述べている。
サンシティは、SCGPCLとの取引により発生した収益が、前会計年度のグループ全体の収益の17.4%を占めていたことを強調した。
同グループは、ベトナムでホイアナを所有および運営する合弁事業を主導しており、現在マニラで10億米ドル(約1,142億円)をかけたホテルカジノプロジェクトを開発中のフィリピン企業の株式を51%保有している。また同グループは、サミット・アセントの69.66%の株式も所有している。サミット・アセントは、ロシアのウラジオストクにある統合型リゾートのティグレ デ クリスタル株式の77.5%を所有している。