モルガン・スタンレーのアナリストによると、カンボジアのカジノ事業者、ナガコープとプレミアムに的を絞ったマカオのコンセッション保有者、ウィン・マカオはVIP区分へのエクスポージャーが最も高い地域型事業者2社であり、故に中国の越境賭博への取り締まり強化からのリスクに最もさらされている。
この問題は、マカオ当局が犯罪組織への関与、違法賭博およびマネーロンダリングの容疑で告発したサンシティグループのアルヴィン・チャウCEOが裁判のために逮捕・勾留されたことを受けて、今週再び大きな話題となっている。サンシティは11月30日夜に、マカオのすべてのVIPルームを閉鎖した。
モルガン・スタンレーのプラビーン・チャードハリ氏、ギャレス・レオン氏、トーマス・アレン氏はレポートの中で、プノンペンにあるナガワールドの事業者であるナガコープは、2019年EBITDAのVIPセグメントへのエクスポージャーが45%と取材した中で最も高い値になっており、その25%が中国人VIPから来ていると予想されると述べた。
レポートには、「これは、ナガのVIPへの高い収益エクスポージャー(GGRの72%)と高マージン(24%)の結果であり、より低い税率と事業経費を反映している。」と書かれている。
マカオの事業者のVIPへのエクスポージャーはそれよりも低いが、ウィン・マカオのみが例外で、VIPは2019年のプロパティEBITDAの21%を占めていたと予想されている。その大部分が中国人旅客からきていた。
比較すると、VIPはギャラクシーエンターテインメントグループの2019年EBITDAの13%、メルコリゾーツのEBITDAの10%を占めており、サンズ・チャイナは最も低い6%という値だった。
フィリピンでは、ブルームベリー・リゾーツのソレアリゾート&カジノとメルコのシティー オブ ドリームス マニラでそれぞれVIPが2019年EBITDAの17%と10%を占め、地元需要の強さから、中国由来のものはたった10%と7%だった。
ジャンケットを認めていないシンガポールでは、プロパティEBITDAの7%と8%のみがVIP区分からのもので、そのうち半分だけが中国人VIP客からのものだった。
アナリスト達は次のように述べた。「EBITDAへのVIPエクスポージャーは、ほとんどの事業者(ナガとウィンマカオを除く)にとってそれほど大きくない。
しかしながら、中国でのさらなる規制のリスクが、新型コロナによる渡航制限の上にもう一層不確実性を重ねている。マカオには、ライセンス更新プロセスに関連する別の不確実性もある。我々はコンセンサス利益予想がリスクにさらされていると見ている。」