最高経営責任者
香港ジョッキークラブ
パワースコア: 1,335
昨年の順位: 14
評価理由
- HKJCの近代化と再生の原動力
- HKJCが香港最大の雇用主になるのを助けた
- コロナ禍でもHKJCはレースシーズンをフルで2度も開催
専門的管理の結果、またはおそらく単に最高の収益源を手放さないという香港政府の決断の結果のどちらであろうとも、香港ジョ ッキークラブ(HKJC)は、コロナ禍においてゲーミング関連の組織のほんの一部しか成し遂げられなかったことをやってのけた。さらに大きな利益をあげるようになったのだ。
CEOとして13年目に入ったウィンフリード・エンゲルブレヒト-ブレスケス氏の監督の下、HKJCは動揺することなく、2度のレースシ ーズンをフル開催した。2019/20シーズンにわずかに下降したものの、2020/21シーズンには前年比27.9%増の2,797億香港ドル(3兆9,600億円)という過去最高の売上高を達成するまでになった。
この過去最高の業績には、1,361億香港ドル(1兆9,300億円)の競馬売上高、そして51.4%増となったサッカーくじ掛け金1,420億香港ドル(1兆9,800億円)などが含まれている。売上にわずかに水を差したのが、公衆衛生の問題で2020年2月から9月半ばまで休止していたマークシックスくじでの減少だった。
HKJCは今年9月、2020/21に合計294億香港ドル(4,160億円)が地域に還元されたと述べた。その内訳は関税、利益税、ロッタリー基金への拠出金として政府に還元された249億香港ドル(3,520億円)、そして公認慈善事業への寄付金45億香港ドル(640億円)。
この巨額の貢献によって、HKJCは継続して香港最大の単一納税者となっており、エンゲルブレヒト-ブレスケス氏が築いてきた並外れたレガシーは続いていく。
1998年にレーシングディレクターに就任し、その9年後にトップの座に就くこととなった元ドイツユースサッカーチームプレーヤーは、HKJCを二流の、極めて内向的な組織から、レース界の羨望の的となる組織へと変貌させた。HKJCはエンゲルブレヒト-ブレスケス氏が見守る中、競馬場マスタープランの下で沙田競馬場の再開発から、競走馬の質の改善、全てが揃った競馬体験を提供するための幅広い顧客セグメンテーション作業まで、ほぼ全ての側面の変革に数億円を投資してきた。香港競馬という大きく質が改善したこの商品はその後人気が爆発し、それが直接掛け金の増加につながっている。
その勢いがすぐに衰えるようにも見えない。すでに2021年9月までに過去最高のシーズンを記録したHKJCはまた、過去のオープニングデイ売上高記録も打ち破り、2021/22シーズンの最初の試合の掛け金総額は14億4,000万香港ドル(210億円)に達した。
香港での彼の偉業を裏付けるように、エンゲルブレヒト-ブレスケス氏は10月、長年会長を務めたルイ・ロマネ氏の引退に続いてIFHAの歴史の中で2人目となる国際競馬統括機関連盟(IFHA)会長に就任した。
IFHAは、メンバー諸国が確実に規制制度を整え、繁殖、レース、賭け、そして動物福祉といった分野でベストプラクティスを実践することを目指している。