会長、CEO兼業務執行役員
ラスベガス・サンズ
会長、CEO兼業務執行役員
サンズ・チャイナ
パワースコア: 2,478
昨年の順位: 9
評価理由
- シェルドン・アデルソン氏の逝去後、2021年に世界を引っぱる役割を引き受けた
- ザ・ベネチアン・ラスベガスの開業を助けた
- 最近行われたラスベガスにある資産の処分を監督した
入社して25年、そして創業者であるシェルドン・アデルソン氏の後を正式に継ぐ人物として訓練を受けて6年、ロバート・ゴールドスタイン氏は、アデルソン氏が”がん”でこの世を去った後の今年1月、ほぼ間違いなく世界最大であるカジノ事業者の手綱を握った。
ゴールドスタイン氏は、アデルソン氏が治療のために仕事を離れていた2019年に代役を務めながらしっかりとその役目を務めた。その結果、彼が会長兼CEOに就任したことは当然のこととして受け止められた。また、未亡人となったミリアム・アデルソン博士が発行済み株式の約57%を手に入れたことで、会社の支配権がどう物事を変化させるかという小さな懸念もひと段落した。
ゴールドスタイン氏が以前務めていた社長兼COOという役職に就任したアデルソン氏の義理の息子、パトリック・デュモン氏とのサンズの新経営陣コンビは一刻も無駄にすることなく、彼らが思い描く会社の未来を形作り始めた。3月、LVSはラスベガス・ストリップに持つ全ての資産を62億5,000万米ドル(6,850億円)で売却する三者間取引に合意したことを発表した。事実上、米国に物理的な事業を一切持たなくなることを確実にした形だ。この取引の内訳は、米投資会社アポロ・グローバル・マネジメント傘下のファンドからのラスベガス事業の営業資産および負債を保有するLVSの子会社を買収するための22億5,000万米ドル(2,450億円)、そしてザ・ベネチアン・リゾート・ラスベガスやサンズ・エキスポ&コンベンションセンターといった不動産資産のためのVICIプロパティーズからの40億米ドル(4,400億円)。
LVSは、本社こそラスベガスに置き続けるものの、その焦点の大部分を、少なくともコロナ前には大きな利益を生み出していたマカオやシンガポールの統合型リゾートがあるアジアにシフトする。
ゴールドスタイン氏は当時このようにコメントしていた。
「アジアがこの会社の柱であることに変わりはなく、我々の意識の中心にはマカオとシンガポールでの開発がある。常に当社施設およびそれらのコミュニティに再投資する方法を模索している」
その後LVSはマカオに喜んでさらに1兆円以上を投資するつもりであり、マカオ法人のサンズ・チャイナへの持ち分を引き上げることを検討すると断言した。
ゴールドスタイン氏はまた、オンラインゲーミングへの投資も示唆しており(おそらく米国で拡大するスポーツベッティング分野)、これはかつてオンラインポーカーの自由化を阻止するためには「何でも」すると断言していたアデルソン氏の断固たる反対の立場から大きく脱却していることを意味する。他にも米国および海外でチャンスが待ち受けている可能性がある。LVSはニューヨークとテキサスでのカジノ法案を注視していることが知られており、以前にはタイに関心があることも表明していた。
それでも今のところは、アデルソン氏の画期的なコンベンション主導型IRモデルを成功に導くために尽力したゴールドスタイン氏は、会社を新たな方向へと向かわせることに何の迷いもないといった態度を示している。