ゲンティン・マレーシアは、リゾートワールド・ゲンティン(RWG)が1日を除いて閉鎖されたことにより、3億700万リンギット( 約84億円)の損失を計上したが、米国および英国市場の力強い回復により、EBITDAは5,370万リンギット(約15億円)の黒字となった。
この結果は大方の予想通りで、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を世界中で受けた前年同期の7億2,620万リンギット(約198億円)の損失を大幅に上回った。
売上高は前年同期比42%減の8億2,630万リンギット(約225億円)となったが、9月30日に再開したRWGの長期閉鎖により、営業コストが削減されたことで赤字幅が縮小。
ゲンティン・マレーシアは第3四半期の業績を発表し、RWGの収益は99%減の1,770万リンギット(約4億8,200万円)にとどまり、調整後のEBITDA損失は1億6,480万リンギット(約45億円)となった。
一方、英国とエジプトの収益は3倍以上の4億600万リンギット(約111億円)、調整後のEBITDAは1億210万リンギット(約28億円)となり、米国とバハマでは収益が前年比5倍以上の3億6,420万リンギット(約99億円)、調整後のEBITDAは1億2,040万リンギット(約33億円)に急増した。
「これらの改善は主に、2021年6月に新型コロナの規制が完全に解除されて以来、リゾートワールド・ニューヨークシティ(RWNYC)の好調な営業実績によるもので、同施設のゲーミング粗収益は感染拡大前の水準を上回っている」と同社。
野村グループのアナリストであるトゥーシャー・モハタ氏とアルパ・アガワル氏は、ゲンティン・マレーシアに対して引き続きポジティブな見方をしており、「21年第3四半期の不調を超えて、リゾートのオープンや新しいアトラクション、マレーシア国境の段階的な再開に導かれ、21年第4四半期と22年度の見通しは明るくなるだろう」と述べている。
「2021年10月の再開と規制解除以降、RWGは力強い回復を見せており、特に週末にはトレンドが後押ししている。待望のテーマパーク、ゲンティン・スカイワールドの開業については、経営陣は2021年末を目標にしているようだ。 なお、同テーマパークのアトラクションは、運営上の問題点を解消するためのフィードバックを収集するべく、従業員と招待客向けにすでに内覧を開始している」。
ゲンティン・マレーシアは、政府が「観光産業を重点分野の一つとする第12次マレーシア計画を導入することは、マレーシアおよび周辺地域のレジャー・ホスピタリティ部門の主要企業である当グループにとって好ましいことである」と述べている。