アジアゲーミング界で最も影響力のある人物50人の順位を決めるにあたって、委員会は100人近い候補者を選考した。これから紹介する5人はパワー50へのランクイン目前にまで来ており、来年新たに加わる可能性が最も高いと目されている。5人は51〜55位にランク付けされているが、以下ではアルファベット順に紹介する。その順位はご想像にお任せします!
アルフレード・「アルビー」ベニテス
創業者
レジャー&リゾーツ・ワールド
アルフレード・アベラルド・「アルビー」ベニテス氏は10月、政界進出のためにレジャー&リゾーツ・ワールド(LRWC)の取締役を辞任したものの、大株主ではあり続けているために、将来の復帰の可能性は高そうだ。
ベニテス氏がビンゴボナンザコーポレーションとして創業した同社は、後にLRWCとして上場し、ビンゴ、スロットマシンリース業そしてPAGCORの代理でのスロット店運営など、フィリピンで幅広いサービスを提供している。また、リゾート地ボラカイ島に5億米ドル(550億円)をかけて統合型リゾートを開発中だ。ベニテス氏は現在、バコロド市長選に立候補しており、これまでに西ネグロス州第3区を代表する国会議員として複数回任期を務めてきた。
トーマス・パン
会長
Meg-Starグループ
トーマス・パン氏は過去10年必死で働き、マカオ「ビッグ4」ジャンケ ットでのMeg-Starグループの立ち位置を固めた。しかし、VIP分野が数 々の逆風にさらされる中、その場所に同社を留まらせるのははるかに難しくなるだろう。
アナリスト達は、2021年のVIP部門の収益はコロナ前の水準の20%に届くのがやっとだろうと予想しており、来年にはおよそ40%にまで戻るものの、今後マカオ全体のGGRの約75%を占めていた2010年代の高い水準に戻る可能性は低いと見ている。自社を「ハイエンド旅行とVIPエンターテイメントサービス、不動産、高級小売商品、IR、文化芸術、飲食料品、赤ワインなどのプロバイダー」と説明するMeg-Starは、最近控えめな姿勢を保ってきたものの、マカオ2022年に最初に戻ってくるのがプレミアムプレイヤーであることを願っていることだろう。
里見治紀
代表取締役社長グループCEO
セガサミー・ホールディングス
セガサミー・ホールディングスは、今年に入ってその社内承継計画を加速させ、里見治紀氏が代表取締役社長グループCEOへと昇進した。CEOの役割は父親で創業者の里見治氏から引き継いだ。治氏は代表取締役会長に留まっている。79歳という年齢で、明らかに仕事ができる時間は限られていると理解してのことだ。セガサミ ーにとっては複雑な一年だった。ビデオゲームとパチンコ部門は一部回復を示しているものの、同社が45%の株式を保有する韓国の統合型リゾート、パラダイス シティは苦戦し続けている。また、ゲンティン・シンガポールと手を組んで横浜でのIRライセンス獲得を目指していたが、横浜が最後の最後にIR誘致を撤回した。
キム・ヨンサン(金映汕)
CEO
グランドコリアレジャー
キム・ヨンサン氏は8月、文化体育観光部の推薦を受け、ユ・テヨル氏に代わって外国人専用カジノ事業者グランドコリアレジ ャー(GKL)のCEOに就任した。58歳のキム氏は、これまでに文化体育観光部文化芸術政策室長、そして駐ロサンゼルス韓国文化院院長を務めた経歴を持つ。GKLはセブンラックブランドの下、ソウルと釜山で2つのカジノを運営しているが、キム氏は新型コロナが業界に大打撃を与えている中CEOに就任しており、同社は2021年上半期に約4,800万米ドル(53億円)の損失を計上した。
アラン・ゼマン
非業務執行社外取締役会長
ウィン・マカオ
香港ビジネス界の伝説的人物であり、有名なランカイフォンのエンターテイメント地区を一から築き上げた。また、2018年2月に非業務執行会長の役職を引き受けた後、スティーブ・ウィン氏の辞職により生じた隙間を埋めている。創業当初から取締役を務めている。マカオ、香港、中国本土の当局者に影響力を持っているが、特に香港においては、香港総商会を含む数多くの商業・経済団体の会員またはアドバイザーになっている。ゼマン氏はまた、中国に帰化し、中国国籍を保有している。