マカオのゲーミング監察協調局(DICJ)は、マカオ現地の取締役が保有するコンセッション保有企業の株式比率の増加案に対する懸念を払拭するために動き出し、マカオのゲーミング法改正が現行の適用内容から逸脱しないことを示唆した。
現行のマカオのゲーミング法では、各コンセッション保有者及び承認されたカジノ運営事業者は、マカオの永住居民IDを持つ取締役を置くことが義務付けられている。該当取締役は、コンセッション保有企業の株式資本の10%以上を保有が条件となっている。現状では、経済的利益や議決権である必要はなく、各コンセッション保有企業の親会社やコンセッション保有企業を監督するその他企業の利益のために保有することが可能である。
DICJが先月、マカオゲーミング法改正案のひとつとして、取締役の保有株率を増加させることを明らかにしたことにより、投資家たちはこの保有株増加に関する政府の意向に懸念を示していた。IAGは、これらの投資家の懸念事項は、10%の基準引き上げだけはなく、所有の性質が、経済的利益および議決権を持つ強制的なものに変更される可能性があることだと理解している。今回の改正により、銀行やその他金融業者との間で「支配権の変更」に関する約束事が発生する可能性があり、マカオのコンセッション保有企業への資金供給が困難になると考えられている。
しかしながら、25日(月)に開催された第4回目で最後の公開協議会では、IAGや3名のマカオ在住のポルトガル人弁護士からの複数の質問に対して、DICJのリオ・チー・チョン(Lio Chi Chong)副局長は、苛立ちを露わにしながらも、例え株式資本率が増えたとしても、株式資本に関する規制の適用には実質的な変更はないと明言した。
リオ副局長は以下のように説明する。「この10%という内容は現行ゲーミング法でも既に制定されているものである。
当件については、現ゲーミング法では2つのことを定めている。一つ目が、株主はマカオ永住居民IDを保有している必要があること、そして二つ目は、保有株率が10%であることである。
将来、我々はこの比率を10%以上に増やしていきたいと考えており、そのために何%にするべきかをパブリックコメントとして意見を聞いている」。
続けて、「多くの方から10%の件について質問が寄せられているが、このルールは既に定められていることを強調する」と話し、経済的利益や議決権に関する現行ルールに変更はないことを強く示唆した。
以前Inside Asian Gamingが報じた通り、DICJはマカオの各カジノコンセッション保有者に政府代表者を任命についても懸念を払拭するべく、運営には影響は出ないことを言及している。
マカオで45日間とされていた公開協議の期間は10月29日にて終了する。