サンズ・チャイナの2021年9月30日までの3ヵ月間の純損失は約484億円で、前年同期の5億6,200万米ドル(約643億円)の損失からは縮小したものの、第2四半期の1億6,600万米ドル(約190億円)の損失からは大幅に拡大した。
この結果は、8月初旬と9月下旬にマカオで発生した新型コロナウイルスの小規模な流行の影響を大きく受けてのもの。中国本土との国境では、規制が行われた。マカオから近隣の珠海を訪れるすべての入国者に14日間の検疫を義務付けるなど、これらの制限の一部は今週になってようやく緩和された。
同社の21年第3四半期の業績は、純収益が6億1,100万米ドル(約699億円)で、前年同期の1億6,700万米ドル(約191億円)から増加したが、21年6月期の8億4,900万米ドル(約971億円)からは減少。
しかし、調整後のEBITDAは3,200万米ドル(約37億円)の黒字で、ザ・ベネチアン・マカオが4,000万米ドル(約46億円)、ザ・プラザ・マカオとフォーシーズンズ・マカオが4,200万米ドル(約48億円)を記録した。ザ・パリジャン・マカオは500万米ドル(約5億7,200万円)を記録したが、調整後のEBITDA損失はザ・ロンドナー・マカオが3,300万米ドル(約38億円)、サンズ・マカオが2,100万米ドル(約24億円)を記録した。
サンズ・チャイナおよびその親会社であるラスベガス・サンズの会長兼CEOであるロバート・ゴールドスタイン氏は、「感染拡大関連の規制の高まりが当四半期の業績に影響を与えたものの、当社は各市場でプラスのEBITDAを生み出せた」とコメント。
「各市場における旅行・観光支出が徐々に回復していくと確信している。訪問できた顧客からの当社製品への需要は依然として強いが、マカオとシンガポールでは感染拡大に関連した渡航規制が続いており、現在の業績の妨げとなっている」。
マリーナベイ・サンズの21年第3四半期の売上高は2億4,900万米ドル(約285億円)で、前年同期の2億8,100万米ドル(約321億円)、第2四半期の3億2,700万米ドル(約374億円)から減少。調整後のEBITDAは1,50万米ドル(約17億円)だった。
グループ全体で見ると、ラスベガス・サンズの純収益は20年6月期の11億7,000万米ドル(約1,334億円)から減少したものの、20年第3四半期の4億4,600万米ドル(約510億円)から21年第3四半期の8億5,700万米ドル(約980億円)へと、前年同期比でほぼ倍増した。