先週のゲンティン・マレーシアのリゾーツ ワールド ゲンティン(RWG)の施設再開は、同社が18カ月以上ぶりに損益分岐点に到達するための後押しとなることが期待されている。
メイバンク投資銀行(IB)のアナリスト、サミュエル・イン・シャオ・ヤン氏のレポートによると、ワクチン接種率向上に伴う施設再開は、予想よりも1カ月早く行われており、今後数週間で更なる施設の再開と同社待望のテーマパーク、ゲンティン・スカイワールドの開業による観光客数の急増にとって幸先が良い。
イン氏は以下のように述べた。「これにより、ゲンティン・マレーシアは、コア純損失が6四半期連続で発生する可能性が高いため、21年第4四半期に損益分岐点に達すると楽観視している。
21年第4四半期のゲンティン・スカイワールドの開業をきっかけにして、RWGへの訪問客数が22年度会計年度末以降も新型コロナ以前の水準へさらなる回復を見せると期待している」。
その一方で同氏は、ゲンティン・マレーシアが第2四半期に計上した3億5,340万リンギ(約94億円)の損失と同様の損失を第3四半期にも予想していると述べている。というのも、RWGは2021年6月1日以降も四半期に渡り閉鎖しており、同社の米国およびヨーロッパのカジノでの利益が抑制されているからだ。
マレーシアのIRは現在、パハン州の住民に再び開放されており、今後数週間で国内ワクチン接種率が90%に達して全国からの観光客を歓迎する予定である。観光客数は、21年第4四半期に約300万人に達すると予想しており、これは新型コロナ発生前の水準である19年第4四半期の620万人の約半分である。
同氏はまた、ゲンティン・スカイワールドの立ち上げが同社にとって重要な足がかりになると指摘し、以下のように述べている。
「我々は、学校の長期休みに合わせて2021年12月にオープンするという見通しを維持している。
また将来的にRWGが、ゲーミングと非ゲーミングの両方の観光客を引き込むだろうと確信している。22年度 / 23年度の会計年度末のコア純利益(2022年に約276億円、2023年に約338億円)は、RWGへの観光客数の2,420万人(22年度)と2,620万人(23年度)に基づいている。
要するに、我々は新型コロナ発生以前のレベルに似たある種の正常化が22年度に回復することを期待している」。